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カードマスターへの道:NBAカードの歴史・前編【スポーツカードの歴史】

6/17(月) 7:30配信

バスケットボールキング

 スポーツカードの誕生は1880年代までさかのぼる。この時代のアメリカでは紙巻きタバコが流行しており、紙で出来たタバコのケースが輸送中に潰れないよう厚紙を入れて補強していた。ある日、とある会社が補強用の厚紙に当時人気だった野球選手を印刷してケースに封入すると、その厚紙目当てにタバコを購入する客が増え売り上げを伸ばした。同業他社もその成功にならい自社製品に野球選手を印刷した厚紙を封入するようになり、これがスポーツカードの始祖・ベースボールカードの始まりと言われている。

 1930年頃になるとタバコカードの流行はひと段落してしまったが、その代わりに登場したのがガムであった。バブルガム(風船ガム)を考案したフリアー社をはじめ、ボウマン、トップスといったガム会社が次々とベースボールカード業界に参入。複数枚のカードとガムを同梱した商品を発売し、ビジネスの規模をどんどん拡大させていった。

 この当時、アメリカにおける大衆の娯楽といえば何をおいても野球。そんな時代背景の中、1891年に生まれた新しいスポーツ「バスケットボール」のプロリーグが1946年6月6日にアメリカで産声を上げる。

NBAカードの誕生

 記念すべき最初のNBAカードは1948年に発行された『ボウマン』。やや正方形に近い形状(5.24センチ×6.35センチ)のカードで、1パックの中に5枚のカードと3枚の風船ガムを封入して販売されていた。

「最初のNBAカード」とは言ったものの実はこのセットに収録されているのはBAA(バスケットボール・アソシエーション・オブ・アメリカ)と呼ばれるNBAの前身となったプロリーグのカード。BAAがNBAに改名するのはこのセット発売された翌年の1949年のことなので、実質的にはこのボウマンのBAAカードセットがNBA初のオフィシャルカードセットとして認知されている。

 そしてこのセットが発行された1948年はBAAがライバルリーグのNBL(ナショナルバスケットボール・リーグ)から数チームを引き抜き、リーグの規模を更に拡大した年でもあった。その引き抜いてきたチームのひとつ、ミネアポリス・レイカーズ(現ロサンジェルス・レイカーズ)に所属していたのが「NBA最初のスター選手」とも言われる長身(208センチ)のジョージ・マイカンだ。

 ボウマンは全72枚のセットで、1~36番までのシリーズ1と、37番~72番までのシリーズ2に分けて発行された。マイカンのカードが入っているシリーズ2はシリーズ1に比べて発行数が少ないと言われており、そのことが更にマイカンのカードの価値を押し上げている。

 ボウマンの次に発行されたのは1957-58年の『トップス』。そして、その次が1961-62年の『フリアー』となる。トップスはビル・ラッセル、ボブ・クージー(どちらもボストン・セルティックス)、フリアーにはウィルト・チェンバレン(フィラデルフィア・ウォリアーズ)、ジェリー・ウエスト(ロサンジェルス・レイカーズ)、オスカー・ロバートソン(シンシナティ・ロイヤルズ)等、NBAの歴史に残る名選手のルーキーカードが含まれている。

 これらNBAの最初期に発行された3つのカードセットにはいくつかの共通点がある。そのひとつ目は「3社ともベースボールカードを発行していたガム会社」ということ。そして、ふたつ目は「いずれも1年のみの発行で終わっている」ことだ。

 この事実から読み取れるのは、各ガム会社は新しいビジネスとしてNBAのカード発行に目をつけたものの、新興リーグで人気もあまり無いNBAではカードは売れず1年で撤退を余儀なくされた、といったところだろうか。

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最終更新:6/17(月) 7:30
バスケットボールキング

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