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ウォール街の「父親」行員 、育児休暇の制度あっても取得には二の足

6/17(月) 15:30配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースが新たに父親になった男性行員から性差別で訴えられた問題を500万ドル(約5億4000万円)を支払って決着させることに合意した際、ウォール街で働く子連れ社員には転機が訪れたように思えた。男性行員は最長16週間の育児休暇を取得できると同行は強調し、これを周知徹底させるようにすると約束したからだ。

しかし、米金融業界で働く人たちは、制度をいじり回したり銀行にとって70分の利益に相当する金額を支払う方が、人々の考え方や行動の仕方を形づくる企業文化を変えるよりも簡単だと言う。

ウォール街の金融機関は子供が生まれたカップルの有給休暇を米企業中で最高レベルに増やしたが、男性行員は依然として何カ月もの育児休暇を取ることに不安を感じている。現・元従業員十数人のインタビューで分かった。顔を合わせて人間関係を維持する文化から切り離された時に何が起こるかを人々は恐れる。伝統が及ぼす力は強い。

ブラックロックのマネジングディレクターを2015年に辞したケ・ハイ氏は、10日間の育児休暇を取った時に、「必要があったら連絡できるね」、「電話会議には参加できるだろう?」などと言われたと振り返る。つまり、「母親でもないのに、赤ん坊が生まれて最初の10日に一体何ができるんだ」と言われているようだったのだという。

JPモルガン・チェースで働いた経験のあるヘッジファンド運用者は、10年前に娘が生まれた日の午後には仕事に戻っていたと振り返る。ゴールドマン・サックス・グループやシティグループで働いていたトレーダーは、男性が育児休暇をフルに取得するのは解雇してくれと言っているのと同じだと語った。

UBSグループの投資銀行部門のシニアバンカー、サム・ケンドール氏は16年に双子が生まれた際、6週間の育児休暇を取ることについて大っぴらに語り、ある意味でウォール街の育休の広告塔になった。

「組織の上に立つ者として、モデルになる責任があると思った」と同氏は振り返った。3人目の子供が今年生まれたときも2週間の休暇を取った。休暇を短めにしたのは単に、「適切に思えたから」という。

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最終更新:6/17(月) 15:30
Bloomberg

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