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パナソニックが溶接現場の困りごと解決へ、浜松のスタートアップと協業

6/18(火) 8:10配信

MONOist

 パナソニック コネクティッドソリューションズ社(CNS社)は2019年6月17日、東京都内で会見を開き、自律型ロボットシステムソフトウェアを手掛けるスタートアップ企業のリンクウィズとの間で、溶接をはじめとする熱加工現場におけるプロセス改善に向けたソリューション開発に関する共同事業開発契約を締結したと発表した。パナソニックは、CNS社傘下のパナソニック スマートファクトリーソリューションズが扱う溶接ロボット事業の売上高が2年連続で前年比1.5倍の勢いで成長しており、リンクウィズとの提携によって溶接プロセスの自動化を促進することでさらなる成長を目指す考え。

【従来の人が判定していた溶接結果の可否検査を両社の協業で自動化する】

 また、リンクウィズは同日、パナソニックや官民ファンドのINCJなど6社を引受先とするシリーズBラウンドの第三者割当増資を実施し、総額9億円の資金調達を完了したことを発表している。今後は、パナソニックとの連携により、中国を皮切りに米国、欧州などグローバル市場に自律型ロボットシステムソフトウェアの展開拡大を図る方針だ。

62年の歴史を持つパナソニックの溶接機事業

 パナソニック 代表取締役 専務執行役員でCNS社 社長の樋口泰行氏は「CNS社は、100年のモノづくりの経験やノウハウを、非製造現場の多岐にわたる困りごとを解決する『現場プロセスイノベーション』の展開を加速している。従来のパナソニックだと自前の製品やサービスの提供にこだわる側面もあったが、顧客のニーズを起点に考え、そのニーズの解決に必要なあらゆるパートナーと協業する方針を打ち出している。今回のリンクウィズとの協業もその1つになる」と語る。

 リンクウィズとの協業において、パナソニック側の起点になるのは、CNS社の製造領域で扱う溶接ロボットや溶接機などの熱加工システム事業である。同事業は、1957年に販売を始めた交流溶接機から始まり62年の歴史を持つ。かつて樋口氏がパナソニックで担当したのもこの熱加工システム事業であり、溶接機の電源が交流機からインバーターに替わるタイミングで技術開発に携わったという。

 パナソニック 常務執行役員でCNS社 上席副社長 プロセスオートメーション事業部 事業部長の青田広幸氏は「溶接などの熱加工プロセスでは、手作業で高度な溶接を行ってきた熟練技術者の引退に伴う技術承継や、自動車の軽量化に求められるマルチマテリアル対応など多くの課題がある。当社の溶接ロボットと、リンクウィズが提供する“頭脳”と“眼”を組み合わせることで、溶接プロセスだけでないフルプロセス提供を目指す」と強調する。

 実際に、溶接結果の可否検査は、目視または基準値内に収まっているかを手作業で測定するという、人による判定が一般的だった。これらの「あいまいな良否基準」や「煩雑な測定」に対して、リンクウィズの技術を使えば、事前に登録した良品の3D画像データと、実際に行った溶接結果をビジョンセンサーで撮影したデータの比較によって、目視よりも高精度かつ簡単に可否検査を行える。「リンクウィズが持つ、スピード感のある開発体制やエッジの立った技術と、パナソニックの熱加工プロセスや製造現場に関わるノウハウの組み合わせによって、新たな可能性が開けると感じている」(青田氏)という。

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最終更新:6/18(火) 8:10
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