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Deep LearningがECサイトの商品分類でどう活用されたのか

6/18(火) 14:00配信

@IT

 ECサイト運営の業務効率化のために、商品説明を読んで掲載カテゴリーを提案してくれる人工知能を作成した。ディープラーニング実践の参考事例として、筆者の会社がどう取り組んでいったのかを紹介する。

【画像:コンピュータがどの単語に着目したかを可視化する「Attention」】

はじめに

 人工知能という言葉に話題性があることと、企業には大量の文書が蓄積されていることから、手元にある文書をとりあえず人工知能に与えれば何か知見が得られるだろうと相談されることがある。しかし残念ながら、人工知能や、その要素技術の機械学習やディープラーニングは、ただ文書を与えただけでは期待した結果をもたらしてくれないことの方が多い。

 成果が出ない理由の一つとして、データの質が挙げられる。ディープラーニングの登場によって、量の拡大が質を補うといわれることもあるが、それを実現するためには想像以上のデータ量が必要となる。

 データが足りないとなると、結局はデータの質を上げる必要が出てくるので、辞書の定義や文書の構造化といった作業に取り組むことになる。ここでディープラーニングに失望されることがある。

 では、「ディープラーニングには手を出すな」ということかというと、そうではない。ディープラーニングにも得手不得手があり、それを理解した上でうまく付き合っていってほしいという思いから本稿を書いた。

 したがって、本稿では、ディープラーニングで現実的にできることは何かを説明しつつ、弊社(NCS&A)のお客様の事例に沿って、ディープラーニングとどう向き合っていったかを紹介していく。

お客様が抱える課題

 ECサイトの運営では、商品カテゴリーのメンテナンスは重要な業務の一つだ。このカテゴリーは、商品の種類や商品の用途など、ユーザーのニーズに合わせて作っていかなければならない。

 弊社のお客様であるアズワン様では、中期経営計画で、ECサイトの取り扱い点数を増やし、顧客のニーズに応えることを目標としていた。それに合わせて、商品カテゴリーもさまざまな切り口で作られた。

 現在では、商品数が300万件、カテゴリーは3000種類にもなる。

 新商品が入ると、人がその商品の名称や仕様、特徴などを読んで、商品カテゴリーを判断している。数もさることながら、取り扱う商品は専門的なものが多く、一つ一つの判断が難しい。そのため、カテゴリーの特定には、商品に対する深い知識が必要であり、誰もができる作業というわけではない。

 また、人が決めたカテゴリーはコンピュータに登録しなければならず、大量の商品を振り分けるとなると、かなりの時間がかかってしまう。もし、人がその作業をしているのであれば、商品カテゴリーの判断自体よりも、コンピュータへの入力操作の方が煩わしいと感じていることだろう。

 なんとか、知恵が必要とされないような単純入力の作業は、人からコンピュータに移して自動化していきたい。そのために、コンピュータには、商品カテゴリーを判断できるようになって、その結果を記録できるようになってほしい。そうすることで、人から手間のかかる作業を大きく取り除けると考えた。

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最終更新:6/18(火) 14:00
@IT

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