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TOYOTA GAZOO Racingの連覇の裏にみえた課題と、みせたジェントルマンの活躍ぶり

6/18(火) 12:40配信

J SPORTS

■TOYOTA GAZOO Racingの連覇も、課題を感じさせる結果に

「ル・マンは嫌いです」

長い戦いを終えた6月16日のル・マン24時間決勝レース後の記者会見場で、7号車トヨタTS050ハイブリッドの小林可夢偉は、英語でこう切り出した。気持ちは痛いほど良く分かった。2018年に初めてル・マンで優勝を飾ることができたTOYOTA GAZOO Racingにとって、今季タイトル争いをリードする8号車は2位に入ってワールドチャンピオンを獲れればOK。一方、可夢偉たちが乗る7号車は、昨年獲り逃したル・マン24時間ウイナーという称号を獲りたかった。それは、レース前に中嶋一貴、そして可夢偉と話したときも明確に感じ取れた。

もちろんレースは自由競争で、7号車と8号車は激しくトップを争ったが、中盤以降、マシンのドア部分にわずかに空気が入り、空力面でわずかにペースが遅くなった8号車に対し、決勝日にセットアップ変更を行った7号車がペースを握った。8号車のすべてのドライバーが「今日は7号車のレースだった」と語っていたとおり、23時間までは、誰もが7号車の優勝と日本人ドライバーの4人目のウイナー誕生かと思われていた。

しかし、ル・マンの神様というのは残酷だ。7号車はタイヤのパンクチャーを感じ取り、詳細はまだ正式な発表こそないものの、センサーに起因するとされるピットインを余計に一度行ったことで、8号車にトップを譲ってしまったのだ。2年連続のワン・ツーフィニッシュ、中嶋一貴の日本人初のサーキットレースでのワールドチャンピオンと嬉しい結果となったが、少し喜びきれない結果となった。

レースの過酷さを物語る象徴となってしまった可夢偉組のレースだったが、逆に言えば、TOYOTA GAZOO Racingはまだ、かつてライバルメーカーが見せつけたような“強さ”をみせるにはまだ足りなかったということだ。村田久武チーム代表も「気持ちは複雑です。近日中に今回起きたことの真の要因を突き止め再発防止を図ります」と述べている。8号車のわずかなロスについても、原因を突き止めるまでに時間がかかった。

そして2年連続優勝という成果は残したものの、2020年のハイパーカー規定導入に向けて、TOYOTA GAZOO Racingにはまだまだル・マンに受け入れられるためにやらなければならないことがある。

2018年からはチームにフェルナンド・アロンソが加わったことにより、現地でもTOYOTA GAZOO Racingのウェアやグッズを身につけるファンが増えた。しかし、真にトヨタのファンになった……という人たちをまだまだ増やさなければいけない。それは強さを身につけること以外にも、やることは満載だ。来年以降も、ぜひ取り組みを続けていただきたい。いま、プロモーションの観点でのル・マン24時間の王者はポルシェ。彼らを上回る存在感を見せられるだろうか。

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最終更新:6/18(火) 12:44
J SPORTS

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