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潜在患者3000万人! 適切なケアで変形性膝関節症の進行を防ぐ

6/18(火) 12:11配信

Medical Note

変形性膝関節症は、膝の痛みを訴える高齢者に多くみられる病気です。膝の軟骨がすり減って関節が変形し、炎症が起きることで膝の痛みなどが出てきます。変形性膝関節症は「年のせいだから仕方ない」と諦めなければならない病気ではありません。そして、必ず手術をしなければ改善しない病気でもありません。では、どうすればつらい膝の痛みを和らげることができるのでしょうか。【北里大学大学院整形外科学教授・高平尚伸/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇膝の痛みでよくある病気

「膝が痛くて階段の上り下りがつらくなり、買い物に行く回数が減ってしまいました」

81歳の女性は、数年前から膝の痛みに悩んでいました。

「少しずつ、椅子やトイレから立ち上がる時に痛みを感じるようになりました。ただ、歩き始めると痛みがなくなるんです。最近は歩いているときも膝の内側が痛むようになって、膝の周りが腫れてきました」

女性の膝の痛みの原因は「変形性膝関節症」。膝の軟骨が弾力性を失ってすり減ることで、関節が変形する病気です。炎症による膝の痛みのほか関節に水がたまること(水腫)もあり、それらによって膝の曲げ伸ばしが難しくなります。はじめは「正座ができない」「階段の上り下りの際に膝が痛む」といった症状から異変に気がつくことが多いようです。

◇加齢や重労働、体重の増加などが原因に

変形性膝関節症は女性に多くみられる病気で、高齢になるほどこの病気を患う人は多くなります。厚生労働省の調査では、自覚症状のある患者さんは約1000万人、潜在的な患者さんは約3000万人いると推定され、別の調査では40歳以上で男性の42.6%、女性の62.4%が変形性膝関節症を患っていることがわかっています。

なぜ、年齢が高くなるほど有病率が高くなるのでしょうか。それは、加齢によって膝の軟骨が柔軟性を失うためです。そうして膝の軟骨が柔軟性を失ったところに、畑仕事などの重労働や体重の増加などで膝に負担がかかると軟骨がすり減って、膝関節に直接負担がかかります。すると、関節の骨の組織が異常に増えて棘(とげ)のように変形し、炎症が起きて痛みが生じます。ひどくなると、膝が体重を支えるバランスが崩れてO脚になってしまい、膝の内側の軟骨がすり減ります。

過去にサッカー、ラグビーなど激しいスポーツに取り組んでいて、靭帯(じんたい)損傷などが原因となって変形性膝関節症を発症することもあります。

関節リウマチがもとで起きることもあります。関節リウマチは免疫の異常によって関節が慢性炎症を起こす病気で、骨周囲の組織のひとつである「滑膜」が異常増殖します。関節リウマチが進行しても膝関節に変形が起きることがあるのです。この場合は通常の変形性膝関節症と異なり、O脚ではなくX脚に変形します。

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最終更新:6/18(火) 12:11
Medical Note

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