ここから本文です

村上春樹 高校時代の女の子に「返せていないレコード」は…?

6/18(火) 7:10配信

TOKYO FM+

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめたラジオ番組「村上RADIO~The Beatle Night~」が、6月16日(日)にTOKYO FMにて放送されました。この番組では村上さん自らディレクターもつとめ、リスナーに“聴いてもらいたい曲”をかけています。
第6回の放送となる今回は、村上さんが選んださまざまなアーティストによる、ビートルズのカバー曲を紹介しました。本記事では、そのなかから中盤の3曲についてお話しされた概要を紹介します。

◆「And I Love Her」Sarah Vaughan

“And I Love Her”――この素晴らしいバラードは、ポールの手によるものです。でもここでは、女性歌手サラ・ヴォーンが歌っているので、“And I Love Him”になります。サラのバックをつとめているのは、マーティとデヴィッドのペイチ親子、ジョーとジェフとスティーヴのポーカロ・ファミリー、という「TOTO」の中心メンバーです。だからいつものサラ・ヴォーンとはひと味違います。

◆「Can’t Buy Me Love」Johnny Rivers

ジョニー・リヴァースがカバーした「Can’t Buy Me Love」。このLPジャケットには、LAのクラブ「ウィスキー・ア・ゴーゴー」における超ライブ録音(Very, very live!)と書いてあるんだけど、拍手とか歓声とか、どことなく後付けっぽいですね。しかし、それでもなんか、わいわい楽しそうです。切れの良いバック・バンドは、おそらく「レッキング・クルー」の面々でしょう。ベースライン、かっこいいですよね。

アメリカで中古レコード屋に行くと、よく店員とか常連とかが集まって、音楽がらみのトリビア・クイズを出し合っているんです。オタクっぽいというか、そばで聴いていると楽しいです。たまに答えがわかるのがあると、思わず僕も「はぁい」と手を上げたくなるんだけど、もちろんそんなことはしません。たとえば「アメリカで最初にビートルズの曲をカバーした歌手は?」みたいな質問があります。これは簡単ですね。僕でもわかる。デル・シャノンが歌った「フロム・ミー・トゥ・ユー』です。まだ、ビートルズがアメリカで無名のころに取り上げてシングルで出して、ビルボード・チャートの77位まで上がりました。ビートルズのシングルのほうは、100位にも入らなかったんだけど。

そんなどうでもいい知識をみんなで競い合うわけです。昔、映画「ハイ・フィデリティ」(2000年製作、監督スティーブン・フリアーズ、原作ニック・ホーンビィ)という中古レコード店のオーナーが主人公になった映画がありましたけど、あのまんまの世界です。でも、そういう中古レコード屋文化みたいな独特の雰囲気も、だんだん消えていくのかもしれませんね。このあいだも久しぶりにニューヨークのヴィレッジあたりを回ったら、なじみのレコード・ショップ、半分くらい店じまいしていました。家賃がすごく上がって、店を維持しきれなくなったんだそうです。淋しいですね。

1/2ページ

最終更新:6/18(火) 7:10
TOKYO FM+

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事