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空席の椅子もプーさんもNG。権力集中の習近平体制で強まる中国のネット規制

6/18(火) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

これほどまでに中国が厳しい言論統制を意識する月は近年、なかったのではないか。

1989年6月4日に中国人民解放軍が民主化運動を武力弾圧した天安門事件から30年が経ったが、中国の新聞やテレビがこの事件を報じることは一切なかった。

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天安門事件についての情報は今も徹底的に排除され、完全なタブー状態が続いている。

また中国当局は今、「逃亡犯条例」改正に反対する香港での大規模デモについての報道も禁じている。

NHKやCNN、BBCなど中国で見られる海外メディアの放送も、この話題になると連日逐一中断し、中国政府に都合の悪い内容は一切伝えていない。

香港の民主化運動の動きが中国本土で広がることを恐れ、神経をとがらせていることがうかがえる。

中国当局は、天安門事件後の1990年代から民主化運動など「有害」とみなすサイトを自動的に閲覧できないようにした。そして、世界で最も巧妙で高度なインターネット検閲システムを構築してきた。

それは権力集中で強権政治に拍車がかかる習近平体制で強固になり、中国共産党が中国社会を強くコントロールするツールとして利用されている。

中国の人口は約14億人、そのうちネット利用者は8億人を超える。中国の報道規制やネット規制は具体的にはいったいどうなっているのか。中国にいる中国人の友人や知人、記者仲間らに聞いてみた。

新たに複数の海外メディアをブロック

中国国内では、GoogleやFacebook、Twitter、インスタグラム(Instagram)、YouTube、LINEなど海外の検索サイトやSNSは基本的に全てブロックされ、使用できなくなっている。

天安門事件から30年に当たる2019年、中国当局は同事件に関する報道規制をさらにぐっと強めた。

5月に入ってからは、これまでブロックしていた中国語のウィキペディアに加え、他の全言語のウィキペディアへのアクセスも遮断した。

中国版SNSの微信(WeChat)のアカウントが5月末から突然使用できなくなるケースも目立ってきている。

天安門事件から30年となった6月4日以後も、これまで閲覧禁止だった米ニューヨークタイムズ紙やロイター通信に加え、米ワシントン・ポスト紙や英ガーディアン紙など複数の海外メディアのサイトが新たにブロックされた。

ただし、香港系のVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を経由すれば、中国国内でもそれらにアクセスは可能だ。VPNは月1000円ほどから利用できるという。

日本に住む筆者の中国人の友人は、

「月1000円は上海だと高くない。上海の一般的な仕事の給料は月10万円から15万円ですから」

と話す。一般の人でも情報を得ようと思えば得られる環境にはある。

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最終更新:6/18(火) 20:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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