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【孫泰蔵】「本気で考えよう」ブロックチェーンの“先にあるもの”

6/18(火) 21:00配信

CoinDesk Japan

エストニアに何を学ぶべきか?日本人はブロックチェーンとどう向き合うべきか?最も大事な概念「ヒューマンオートノミー」とは何か?──『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』(ダイヤモンド社)を監修した、連続起業家の孫泰蔵氏に聞いた。

「国境を越えて働く」を実現する

海外で旅をしながら、働く──誰しもが一度は憧れを抱くワークスタイルです。デザイナー、プログラマー、料理人、ライター……。フリーランスの人口は急拡大しています。世界のどこにいても働ける職業はたくさんありそうです。

しかし、現実はそう簡単ではありません。たとえ、世界で通用するデザインのスキルを持っていても、いきなりインドネシアに行ってデザイナーの職を得る、あるいはアメリカを移動しながらデザイナーとして働くのは難しいものです。仕事の依頼主と受注主をつなぐジョブマッチングのサービスは、たいてい国ごとに存在します。しかも、各国で労働法が異なり、税務処理も面倒です。

ところが、国境を越えた働き方を実現できるジョブマッチングが登場しました。「ジョバティカル(Jobbatical)」は、国籍の違う法人や個人の間に入って、税務処理などを支援するサービスを展開しています。

仕事があっても、どこに行けばいいかわからない──そんなときは「テレポート(Teleport)」が便利です。自分の住んでいる場所、家賃、職業、収入などを入力して、結果を表示するボタンを押すと自分に合った都市を教えてくれます。たとえば、ロンドンかニューヨークに行きたいと思ったときに、この時期はニューヨークに行くと生活コストが高くなるけど、ロンドンなら安く抑えられるということが、すぐにわかる仕組みです。

個人がスタートアップに投資できる仕組み

さらに、国境を超える革新的なサービスが生まれています。スタートアップが世界中から資金調達するのを支援する「ファンダービーム(Funderbeam)」です。

創業者兼CEOのカイディ・ルーサレップ氏は、エストニアのナスダック・タリン(NASDAQ TALLINN)のCEOを務めた、いわば市場側の人でした。しかし、本来スタートアップの資金調達をすべきである証券市場が機能していないことを不満に思い、スタートアップのエンジンとなる仕組みをつくるためにファンダービームを創設しました。簡単にいえば、世界に開かれたクラウドファンディング・プラットフォームです。その仕組みはブロックチェーン技術を応用した「トークン」によって支えられています。

実は、私自身も「スタートアップの資金調達が機能していない」現状に、強い危機感を抱いていました。まず各国の投資のルールが違います。さらに、投資を行うベンチャーキャピタル(VC)がスタートアップを囲い込むため、個人投資家が情報を得られず、支援や興味を持つことが難しい状況です。

今や世界的なサービスに成長した「エアービーアンドビー(Airbnb)」には、当初100社のベンチャーキャピタルを回って、すべてに断られたという逸話があります。革新的なサービスや素晴らしいアイデア、イノベーションは理解されないことが往々にしてある。ベンチャーキャピタルだけではなく、どんどん個人投資家もファンダービームのような仕組みを通じてスタートアップへの投資に入ってくるべきです。

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最終更新:6/18(火) 21:00
CoinDesk Japan

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