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【孫泰蔵】「本気で考えよう」ブロックチェーンの“先にあるもの”

6/18(火) 21:00配信

CoinDesk Japan

エストニアから革新的サービスが生まれる理由

ジョバティカル、テレポート、ファンダービーム──3つのサービスは、すべてエストニア発です。では、なぜエストニアのサービスは国境を超えられるのか?

答えは「イーレジデンシー(e-residency)」です。世界中の誰もがエストニアの「電子居住者」になることができる仕組みがあるので、国境を超えることが可能です。たとえば、ジョバティカルで国を越えてジョブマッチングしても、イーレジデンシーの登録をしていれば問題ありません。エストニアは世界の国々と租税条約を結んでいるため、税務処理をクリアすることができるのです。

では、なぜ人口わずか130万人のエストニアは、日本では考えられないような近未来を実現する仕組みを構築できたのか?

最大の理由は、エストニアの成り立ちにあります。エストニアは第二次世界大戦に旧ソビエト連邦(ソ連)に併合され、1991年に独立を回復しました。今まではソ連の役人がこなしていた業務を新たな政府が行わなければなりません。しかも、ベルリンの壁崩壊により共産主義から資本主義へ移行し、大混乱のタイミングで、国を整備していく必要がありました。

しかし、幸いなことにエストニアには暗号技術など最先端のテクノロジーに詳しい優秀な技術者がたくさんいました。政府は彼らと協力しながら、急ピッチにゼロから政府の電子化を進めていったのです。

その結果、行政サービスの99%電子化されることになりました。エストニアでは、住民票の取得や住所変更、出生届、投票、確定申告まで、24時間365日利用することができます。しかも、日本では考えられないくらいの速さで処理されます。

そうした環境から、2005年に「イベーイ(eBay)」に26億ドルで買収されたインターネット電話サービスの「スカイプ(Skype)」、ユニコーン企業となった海外送金の「トランスファーワイズ(TransferWise)」など、エストニア人による数々の革新的なスタートアップが生まれました。

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最終更新:6/18(火) 21:00
CoinDesk Japan

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