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完全なLinuxがWindows 10上で稼働する? 「WSL 2」とは

6/19(水) 5:05配信

@IT

 2019年5月に米国シアトルで開催されたMicrosoftの開発者向けイベント「Build 2019」で、現在のWindows Subsystem for Linux(WSL)を強化した「WSL 2」が発表された(Microsoft Devblog「Announcing WSL 2」「WSL 2 Post BUILD FAQ)。本稿では、発表されたWSL 2のアーキテクチャを紹介しつつ、その特徴や現行のWSL(以下区別のためにWSL 1と表記する)との違い、そして今後の予定について解説する。

【画像:WSL 2の構成】

WSL 2とは何か?

 WSL 2最大の特徴は、仮想マシンを使い、Linuxカーネルが動作する「本物のLinux環境」であるということだ。

WSL 1は、Linux実行環境をLinuxカーネルではなく、LXCore と呼ばれる「サブシステム」が作り出しており、カーネルへのファンクションコールをWindowsカーネルへのファンクションコールに変換して動作している。

 これに対してWSL 2は、専用の仮想マシン環境である「Light Weight utility Virtual Machine」(軽量ユーティリティーVM)を使い、ローカルパッチ(Microsoftによる独自パッチ)を当てたLinuxカーネルバイナリを動作させ、仮想マシン内にLinuxの実行環境を作る。

 「Hyper-V仮想マシンサービスを使ったLinuxの仮想マシンならば、これまでもあったではないか!」と思われる方もいるかもしれない。だが、この軽量ユーティリティーVMを使ったWSL 2では、仮想マシン環境が起動し、bashがコマンドを受け付けるまで2秒程度という速度で起動できる。

 このため、コマンドプロンプトなどからwsl.exeなどを使ってbashコマンドを処理する時間は、現在のWSL 1とほとんど変わらない。また、本物のLinux実行環境であるため、これまで正しく動作できなかったアプリケーション、例えばコンテナシステム(Dockerなど)やユーザーファイルシステム(FUSEなど)も動作させることができる。その上で、現在のWSL 1と同等の機能と使い勝手を実現するという。

■WSL 2はWSL 1を置き換えずに併存する

 WSL 2が登場したからといって、WSL 1は廃止になるわけではなく、引き続き利用可能である。Windows OSの仮想マシン支援機能は、Intel VTおよびAMDvにのみ対応しているため、現時点では、Hyper-Vが組み込まれていないARM64版(Windows On ARM。WOA)では、WSL 1が引き続き使われるものと考えられる。

 また、Hyper-Vでは動作条件として最低4GBのメモリが指定されているため、メモリ2GBといった低スペックのマシンなどもWSL 1がカバーすることになると考えられる。

 さらに、Hyper-Vベースの仮想マシン技術を使うものの、WSL 2は、Windows 10 Homeに対しても提供が行われるという(HomeではHyper-Vが無効にされている)。

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最終更新:6/19(水) 5:05
@IT

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