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なぜ白い胡蝶蘭だらけなのか? “しきたり化”した会社のお祝い事の不思議

6/19(水) 5:05配信

ITmedia ビジネスオンライン

 本社移転、新規開店、社長就任――こういった企業間のお祝い事に欠かせないのが白い大輪の胡蝶蘭だ。東証一部上場の企業となると、本社移転で100鉢近くの胡蝶蘭が取引先から贈られることもある。そもそも、なぜ白い胡蝶蘭がスタンダードなのか? それ以外の選択肢はないのか? 胡蝶蘭専門通販サイト「日本フラワー」などを運営するフラワー総研(東京都八王子市)の阿部憲資社長に話を聞いた。

【画像】こんな色の胡蝶蘭を贈ってもいい

胡蝶蘭が高価な理由

 胡蝶蘭がお祝いの品の定番になったのは、特に高価な存在だからだ。胡蝶蘭は種を発芽させてから出荷できる状態になるまで4年近くかかるという。まず、種を発芽させて苗をつくる工程で約1年かかる。その苗を生産者が購入し、市場に出すまでにさらに2年半近くかかる。

 胡蝶蘭の主な産地は愛知県、埼玉県、栃木県などだが、大規模な生産者はハウス栽培をしている。胡蝶蘭には暖かい栽培環境が必要だからだ。人件費、ビニールハウス関連の償却代、温度管理をするための重油代など費用がかかる。あくまで1例だが、500坪のビニールハウスの温度管理に使う重油代は1月で60万円にも及ぶという。

 企業の“お祝い需要”が特に高まるのは事業年度がスタートする4月1日だ。この日に人事異動が行われることが多いので、注文が集中する。人事情報は事前に新聞などで告知されることが多いので、企業はフラワーショップに予約注文する。

 なお、胡蝶蘭の供給量が増えるのは1~2月と6月だ。これは、温度管理を徹底していても、一定量の胡蝶蘭が勝手に咲いてしまうためだ。そのため、4月に贈ろうとすると余計に高くなってしまうというわけだ。

 胡蝶蘭の送料も無視できない。日本フラワーの場合、枝が5本ある「5本立ち」は、箱代と送料込みで税込4万円近くになる(価格は時期によって変動する)。箱のサイズが大きくなるだけでなく、混載しにくい(箱の上に別の荷物を置けない)という事情があるため、大きな胡蝶蘭を運ぶのに最低でも数千円近くかかってしまう。

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最終更新:6/19(水) 5:05
ITmedia ビジネスオンライン

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