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孤独死の現場から問う 独りで誰にも迷惑を掛けず、あなたは死ねるか

6/19(水) 7:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 誰もが直視したくない「死」の話題。だが最近、注目が集まっている。住人が孤独死などを遂げた部屋をきれいにする「特殊清掃」という仕事は、テレビドラマや漫画の題材になった。事故物件のデータを集めた大島てるさんの「事故物件公示サイト」も話題だ。

【画像】即席の「祭壇」が置かれた特殊清掃の現場

 まるで「怖いもの見たさ」のように注目される特殊清掃や孤独死だが、実は誰にとっても人ごとと言えなくなってきた。近所付き合いや家族のつながりすら希薄になりつつある一方、中高年の引きこもり問題もクローズアップされてきた。孤独死の報道で取り上げられる事例も、決して高齢者だけではなくなってきたという。

 今回対談してもらったのは、葬儀の在り方や高齢者問題などを長年取材してきた、毎日新聞社会部編集委員の瀧野隆浩さんと、孤独死や特殊清掃についてルポしてきたフリージャーナリスト、菅野久美子さんだ。人は「独りで誰にも迷惑を掛けず」死ねるのか。死臭漂う事故物件の特殊清掃や葬式、遺族取材など、死の現実を見つめ続けた2人に聞いた。前後編で送る。

黒い体液、ごみ、ウジ、ペットと共倒れ…… 孤独死の現実

――瀧野さんは事件担当記者などを長く務めた後、今は葬儀や高齢者問題、人の終末期の在り方について取材しています。菅野さんも特殊清掃の業者に帯同した現場ルポを多く発信しています。孤独死した男性が部屋に残した「私を引取る(原文ママ)人がいません」という書き置き。あるいは、ごみだけでなく遺体から流れた黒い体液、蠅やウジに覆われた特殊清掃の現場。2人の著書では孤独死の現実が生々しく描写されていますが、どんな思いで取材しましたか。

菅野: 孤独死とは「独り死」です。識者の中には「1人で亡くなって早く見つかると良い」といったことを言う人もいますが、そんなきれいなモノじゃない。ごみ屋敷になっていたり、多頭飼いしていたペットと共倒れになった例もあります。孤立して結局亡くなって、何カ月も発見されなかった場合が多い。孤独死そのものは、良いことだとは思いません。

――菅野さんの『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)では、肉親の孤独死を激しく悔やむ人もいれば、遺体の引き取りを渋るケースも出てきます。

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最終更新:6/19(水) 7:38
ITmedia ビジネスオンライン

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