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<北朝鮮>中断されたマスゲームを習主席訪朝時に臨時復活か 住民「今、それどころではないのに」

6/19(水) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

平壌で6月3日から始まったばかりのマスゲーム「人民の国」は、10日から中断されたままだ。

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初日に観覧した金正恩氏が、公演内容を「「誤った創作・創造気風、無責任な働きぶりについて深刻に批判した」と4日の朝鮮中央通信が伝えた。そのため、プログラムの変更が不可避になり公演が中断した、という分析が日韓のメディアから出ていた。

アジアプレスの取材協力者がマスゲームに子供を参加させている親と、動員担当の関係者に会って話を聞いたところ、「子供たちがお腹が空いたと泣きながら親に電話をしてくる有り様」で、多くの学生が練習から脱落していることが分かった。財政難のため、当局が参加者にまともな食事を提供できておらず、これが10月初旬まで続く長期公演を中断した理由である可能性がある。

◆全国民が農村動員で水汲みやっているのに…

マスゲーム公演が中断されたことについて、協力者は14日、次のように伝えてきた。

「参加者にご飯もまともに出せないということもあるだろうが、今、国内はマスゲームどころではないんですよ。全国の住民が農村に動員されているからです。特に、今年は少雨のため、それこそ総動員態勢で水汲みをやっています。観覧する人が集められないのではないか」

この協力者によれば、昨年9月に行われたマスゲーム「輝く祖国」では、平壌でも自発的に見に行く人が少なく、人民班や地区の役所で観覧動員を割り当て、地方にも平壌に送るノルマが課せられたという。ちなみに、今回中断した「人民の国」は、入場券を5000ウォン(約64円)で住民に販売したそうだ。

◆習近平をマスゲームでもてなす?

取材協力者が、子供がマスゲームに動員されている親を追加取材したところ、平壌では12日から練習が再開されたとのことである。これは、20~21日に北朝鮮を公式訪問する中国の習近平主席にマスゲームを観覧してもらうためかもしれない。

北朝鮮政権は、外国の賓客をマスゲーム観覧でもてなすことが多い。2000年10月に訪朝したオルブライト米国務長官は金正日氏と並んで観覧したし、昨年9月に訪朝した文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、金正恩氏と一緒に観覧している。(カン・ジウォン/石丸次郎)

最終更新:7/11(木) 11:30
アジアプレス・ネットワーク

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