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ダイソー快進撃を支える「毎晩105億件データ処理」する需要予測システムはどう生まれたか

6/19(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

小売業にとって、在庫管理は店舗ごとの売り上げを最大化させるための重要な業務だ。

1コイン業態の大手大創産業(ダイソー)を支える在庫管理・需要予測システムがどのように作られたのか。先週開催されたAWS Summit Tokyo 2019のセッションでその一端が明らかにされた。

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人力管理が「ほぼ不可能」なほど多様な商品点数

小売業の特徴は、いわゆる「ニッパチの法則」(売り上げを支える売れ筋商品は全体の2割という法則)。いかにして売れ筋商品の在庫を把握し、将来の需要を予測して、欠品なく並べ続けるかは生命線だ。

一方、ダイソーの特徴は、取り扱う商品点数が非常に多いことだ。

大創産業情報システム部課長の丸本健二郎氏によると、ダイソーは全世界27カ国で5270店に展開し、新商品は毎月約800。「均一価格」は日本と同じだが、価格レンジは各国地域の物価に合わせている。

こういう状況では、「人間の能力では在庫を把握するのは難しい」という前提に立って、丸本氏が取り組んだのが、POSデータの統計的解析から個店ごとの需要予測をして欠品をなくす「自動発注システム」(2015年導入)だった。

着想後、いくつかの店舗で試験的に導入したところ、着実に欠品率が下がり、「チャンスロス」が解消された。

すぐに経営陣から「全世界でこのシステムを導入すべき」とGOが出たが、そこで大きな問題に突き当たった。

全世界で1日の処理件数「105億件」で需要予測

自動発注は毎日処理する必要があるため、基本的に店を閉めて翌日開店するまでの「夜の時間」にすべてを終える必要がある。

全世界5270店舗あるなかで、既存の方法で処理すると、一晩の間に処理できるのはわずか200店舗だった。国内に限ったとしてもわずか7%でしかない。

処理件数の数字を見積もったところ、この先30日の需要予測も含めて、全世界の店舗に適用するには、毎晩「105億レコード」という莫大な数を処理しなければならないことが判明した。

「(既存のシステムで高速化するため)チューニングするにも限界があった」(丸本氏)。

なんらかのイノベーションを取り入れなければ解決できない……そう考え、技術的な検証を重ねた結果、データベースは巨大なデータ件数に向いたAmazon Redshift、またシステムはクラウド化し、さらに仮想サーバーではなく、コスト的に有利なサーバーレスアーキテクチャー(Amazon Lambda)を採用することを決めた。

全店導入に向けて開発をはじめたのは2014年5月、稼働を開始したのは2015年2月。サーバーレス環境導入と開発にかかった期間はおよそ9カ月ということになる。

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最終更新:6/19(水) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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