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安倍政権、予定通り10月消費増税実施へ 延期したくてもできない「物理的制約」とは

6/19(水) 11:54配信

THE PAGE

 安倍政権が予定通り、消費増税を実施する方針を固めました。政界では、安倍首相が消費増税を延期し、これを争点に衆参同日選に踏み切るとの観測もありましたが、消費増税のスケジュールは変わりませんでした。安倍首相は増税延期を望んでいたと考えられますが、なぜ予定通り、増税が実施されることになったのでしょうか。

本格的な景気回復とは言い難い状況

 安倍政権は国内の景気が思わしくないことから、これまで消費税の10%への増税を2度にわたって延期してきました。その後、景気は米国の景気拡大が続いたことから多少、持ち直しましたが、米中貿易戦争が勃発したことで、再び先行きが不透明になっています。2019年1~3月期のGDP(国内総生産)は年率換算で2.2%(改定値)と、まずまずの結果でしたが、これは輸入の減少によって見かけ上の数字が上昇したものであり、本格的に景気が回復したわけではありません。

 増税に反対する国民の声が大きいことから、政界では、安倍政権が消費増税を再び延期し、衆参同日選挙に打って出るとの観測が何度も出されました。

大前提を覆せば、あらゆる施策に多大な影響

 しかし、6月中に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)の原案に消費増税が盛り込まれたほか、7月に実施される参院選の選挙公約にも正式に消費増税という文言が入りました。閣議決定というのは行政の分野では非常に重みのあることであり、閣議決定を覆すというのは通常、ありえません。また選挙公約はパンフレットに印刷しますから、これを撤回するのも簡単ではないでしょう。

 これに続いて麻生財務大臣は6月8日、福岡市で開催されたG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議において、消費税増税の方針について各国に説明しました。対外的な説明も行ったことから、消費増税は予定通りに実施される可能性がかなり高まってきました。安倍首相は増税延期を望んでいたともいわれていますが、あえて増税延期を決断しなかったのは、増税を延期することの行政コストがあまりにも大きいからです。

 安倍政権は、教育の無償化政策を進めており、5月には大学などの学費を無償化する「大学等修学支援法」が可決、成立しましたが、この財源は消費増税分を充当することになっています。政府は年金制度の改革も同時並行で進めていますが、年金の財政計画は消費税が増税されることが前提です。来年度の予算についても増税が大前提となっていますから、ここで増税を延期するとあらゆる施策に大きな影響が出てしまいます。ホンネでは増税を延期したかったものの、物理的な制約で断念せざるを得なかったというのが実状でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/19(水) 11:54
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