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「7兆円のアート市場はブロックチェーンで変わるか?」3.1億調達スタートバーン新COO大野紗和子氏に聞く

6/19(水) 21:00配信

CoinDesk Japan

アートビジネスへのブロックチェーン活用を目指す「スタートバーン」は、UTEC(東京大学エッジキャピタル/東京大学エッジキャピタルパートナーズ)、SXキャピタル、電通、元クリスティーズジャパン代表の片山龍太郎氏らにより総額3.1億円の資金調達を実施した。新たにCOO(最高執行責任者)として加わったのが、フィンテック企業「AnyPay」でCEO(最高経営責任者)を務めた大野紗和子氏だ。 世界の美術品市場は約7兆5000億円(「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2019」)と推計されている。「アート×ブロックチェーン」は巨大市場をどう変えるのか。大野氏に聞いた。

AnyPayで経験した「3つの事業」で見えたこと

────フィンテック企業であるAnyPayのCEO(最高経営責任者)から、アート分野のブロックチェーン企業であるスタートバーンのCOO(最高執行責任者)への転身、とても驚きました。

私がAnyPayへ参加したのは2016年8月でした。6月に登記したばかりの会社でしたが、(AnyPay創業者で投資家の)木村新司さんに声をかけていただき、せっかくだったらゼロから立ち上げる会社に行こうと8月からフルタイムで参加しました。AnyPayでは、主に3つの事業に関わりました。【1】決済サービス、【2】ブロックチェーン分野のICO(イニシャル・コイン・オファリング、新規仮想通貨発行による資金調達)のサポート、【3】投資事業です。

決済サービス【1】についていえば、私が入社した2016年後半は、AnyPay以外にもたくさんのキャッシュレスサービスが登場してきたタイミングです。しかしリーガル(法律面)の建て付けが非常に複雑な時期であり、私たちも他のサービスも、ユーザーからは同種のサービスに見えても法的建て付けが異なっていたり、ユーザーには少しわかりづらかったかもしれません

最近、ようやくオンラインでのKYC(本人確認)が認められることになりました。今までは本人確認のため郵便物を送る必要があり、そのコスト負担は大きいものでしたが、オンラインKYCにより負担が減ります。決済領域で競うスタートアップにとってはいい材料です。

ICOのサポート【2】では、2017年からサービスの立ち上げに関わりました。この分野はクライアントの大半が海外の企業で、国ごとにタイミングに波があります。一時期、ICOは盛り上がっていましたが、その後にニーズがSTO(セキュリティ・トークン・オファリング、証券規制に従うトークン発行による資金調達)に移っていきました。結果として、ICO、STOのどちらもお手伝いすることになりました。

また、特にSTOは金融規制の枠組みの中で実施するので金融業の色彩が強く、2018年頃から業界に投資銀行等金融出身の方々が増えているのを感じていました。

企業経営の視点では、決済事業やICO/STOアドバイザリー事業、さらに投資事業【3】の3つをAnyPay一社の中で運営するという事業ポートフォリオを作る経験をしました。

決済サービス、ICO・STOのサポート、投資事業。AnyPayでの経験は、すべて勉強になりました。一方で、自分の感覚として、何をやっていると生き生きするのか。やはり「サービスを作っている」という実感を持てるところに情熱を感じると気づきました。

書籍『HARD THINGS』(ベン・ホロウィッツ著、日経BP社、2015年)にも出てくる言葉ですが、起業家と投資家はベーコン・エッグのベーコンと卵のようなもので、二つ揃って初めていいことがある。事業家は自分の肉をベーコンにするし(自分自身の人生を賭ける)、投資家はニワトリのように卵を産む(リスクを承知で投資する)。

そのエコシステムの中でどこが自分にとって楽しいか。自分はベーコン(事業)側の人間だと思いました。そうした気づきが、事業会社であるスタートバーンに飛び込む決心につながっています。

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最終更新:6/19(水) 21:00
CoinDesk Japan

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