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笠間・隈研吾氏講演 木造建築へ思い語る

6/20(木) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

新国立競技場の設計に携わり、境町の町営施設の設計などにも関わった建築家、隈研吾氏(64)の講演会が17日、笠間市笠間の笠間稲荷神社稲光閣で開かれた。木材を主力素材に、その土地の環境や文化に溶け込む建築を目指す隈氏は、携わった国内外の代表的作品を紹介。古くから続く日本人と森との関係性を踏まえ、「自分が木を用いるのは、日本の文化の中に木への深い愛情があるから」と、木造を主軸に据えた建築観を丁寧に語った。

隈氏は、世界的コーヒーチェーンの店舗(福岡県)、浅草文化観光センター(東京)、長岡市役所(新潟県)、万里の長城脇のホテル「竹の家」(中国)、ブザンソン芸術文化センター(フランス)など、木や竹を主力素材に木組みの技を駆使した建築物をスライドで紹介した。

このうち、2000年にオープンした那珂川町馬頭広重美術館(栃木県)は、自然豊かな周囲の景観に溶け込むようゆったりとした平屋建てに切り妻の大屋根が特徴。「屋根や壁には地元の八溝杉を、内装にも地元産の和紙や石材を採用した」と明かした。美術館の立地場所が里山に近く公共性の高いエリアであることにも触れ、「まちづくりの構想の中で美術館がその中心を担い、人の流れを活性化させる役割を持たせた」と振り返った。

また、古くから続く日本人と里山(森)との深い関係性を踏まえ、「里山の縁に穏やかな集落が形成され、縁は里山の魅力を享受できる場所だった」と指摘。「里山で育つ樹木は建築材料やエネルギーになり、農業に必要な堆肥も里山で手に入れることができた。里山はインフラそのものだった」と強調した。

一方、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて整備が進み、屋根や軒庇にふんだんに木材を使う新国立競技場についても言及。「外壁には全国47都道府県のスギ材(沖縄県はリュウキュウマツ)を採用しているが、色や木目が全く違う。それらは気候や土壌の違いを意味し、結果的に日本の自然の豊かさを外に発信することにつながった」と話した。

競技場の外部工事の一つとしてせせらぎを造っていることを説明し、「建物だけでなく、庭も楽しめるようにした。ぜひ訪れてください」と呼び掛けた。

講演会は、日本会議茨城が5月の改元を記念して企画。会場には会員を含め約200人が詰め掛けた。(沢畑浩二)

茨城新聞社

最終更新:6/24(月) 16:04
茨城新聞クロスアイ

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