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塾ソムリエ断言 低学年からの塾通い「百害あって一利なし」の理由

6/20(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 中学受験の費用は一般的に、小学校4年から6年までの進学塾通いだけで約260万円かかるといわれている。さらに、家庭教師をつけた場合、家計への打撃は大きい。

 しかし、塾ソムリエでプロ家庭教師集団「名門指導会」代表・西村則康さんによると、費用を抑えるコツはあるという。その鍵は、低学年までの時間の過ごし方にあるとのこと。

「よく、低学年のうちからお子さんを塾に通わせるご家庭がありますが、よく分からないうちから嫌々勉強させても逆効果になりやすいですし、受験勉強のむやみな前倒しは百害あって一利なしです」

 低学年のうちから受験勉強を始めるのは、お勧めできないという。

「小学3年生くらいまでは、勉強を詰め込むよりも身体感覚を身につけさせることが何よりも大切です。これが受験に大きく影響してきます。具体的には自然の中で思いっきり遊ばせて、五感を養うことです。この機会が少ないと身体感覚は育ちません。なぜ身体感覚が受験に必要かというと、受験で出題される問題は12歳なりの知性と教養を問うもので、これは子供の身体感覚と強く結びついているからです。例えば、『水の入ったバケツは重いが、衣類の入った箱はそれほど重くない』という感覚は密度の理解に直結します。形式的に処理していく能力だけでは、こうした問題を解くのは難しいのです」

 幼少時に身体感覚がしっかり身についている子供は、塾だけの勉強で十分合格できると西村さんは話す。低学年のうちは、自然の中で外遊びをしたり、旅行をしたりするほか、毎日2ページほどのドリルを習慣にさせるといいという。

「器用さと学習習慣を身につけさせること。それと、書くことが得意になることがとても大切です。難関校の問題はパッと見て答えられるものではありません。ですので、回答を導き出すまでに書く作業が大切になってきます。面倒くさがらずに、いっぱい書く子が伸びます」

 順調に成績を伸ばし、最上位校に合格する子供のノートは「素早く書く」「読みやすい」「いろんなことがたくさん書かれている」「文字だけでなく、絵やイラストで表現している」といった特徴があるという。書く能力を養うのに、文字や数字を書かせることだけに集中せずに、図や絵もどんどん描かせるようにするとさらにいいという。中学受験は進学塾に通う前から始まっているといえそうだ。 

(取材・文=伊藤洋次)

最終更新:6/20(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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