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ありそうでなかった外国人向けの書き込める「防災ベスト」

6/20(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 地震が来たら「頭を守る」「机の下に隠れる」――日本人ならほとんどの人が思いつくこれらの行動、実は外国人にとってはハードルが高い。

「基本的な防災教育を幼少時から行っている国はまれで、パニックに陥る外国人旅行者も少なくありません。地震大国でもある日本滞在中に、『発災したら』と不安を感じている方は珍しくないのです」

 こう話すのは、消防防災・災害医療など各種安全用品の企画・販売を行う「ナカネ」の中根茂樹代表。“医療従事者ベスト”のマーケットにおいて、47都道府県のDMAT(災害派遣医療チーム)のうち44都道府県で製品が採用されるなど、業界のトップランナーだ。このナカネが開発したグッズが、ありそうでなかった防災用品「自由に書き込みができるベスト」。

 日本政府観光局によれば、2018年の訪日外国人数は、統計開始以来の最高記録となる3119万1900人を記録。東京五輪に向けて、この数はますます増えるだろう。言うまでもなく、これらの外国人観光客の全てが、日本語を理解できるわけではない。そこで、話せる言語や自身の状態を外国人観光客がベストに書き込めるようにした。

「例えば英語を必要とすれば、『English Only』、宗教上食べられないものがあると伝えるなら『Halal Food』、耳が聞こえない場合は『Deaf 耳のマーク』など。これで、他者に意思を伝えられる」(中根茂樹代表)

 日本人がベストに書き込むなら、「English Speaker」など。英語が話せる日本人と一目で認識される。発災時のコミュニケーションの問題を、視覚を通じてスムーズにマッチングさせられる。

 すでに、日本語仕様の同じ役割を果たすベストは登場。関空などのターミナルや自治体などで導入されている。防災訓練時に「役割を書く」「必要な情報を書く」などを明記することで、相互理解が飛躍的に向上したという声も上がっているほどだ。

「インバウンドに加え、障がい者など要配慮者と呼ばれる人々をケアする防災対策を率先して講じることこそ、災害大国である日本の役目」(中根茂樹さん)

 現在は、全国諸官庁や公共交通機関の民間企業などへの販売だが、「同じ用途で一般の人でも使える類似商品を開発中」。進化し続ける防災用品。だからこそ、我々も防災への意識や理解をアップデートする必要がある。

最終更新:6/20(木) 14:07
日刊ゲンダイDIGITAL

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