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増える児童虐待と子どもの自殺…今、何が起きているの?

6/20(木) 21:15配信

All About

◆思わず発信してしまった、あのつぶやきが……

「子育て中、子どもを可愛いと思えなかった」
「親は、毒親だった」

そんなことを、SNSで書いたことはありませんか?

こうした本音をネットに吐き出し、「いいね!」と承認を得ることで、ストレスを発散し、心の拠り所としている人は、少なくないはずです。しかし、もしかすると、あなたのその投稿が、社会に孤独を広め、家庭内の問題をつくり出しているのかもしれない――。

◆児童虐待や子どもの自殺は増えている

昨年、厚生労働省や警察庁は、日本の児童虐待相談対応件数が13万人を超え過去最多となったとともに、子どもの自殺も増加傾向にあることを発表しました。

19歳以下の自殺者のうち最も多かった三大自殺動機は、学校問題、健康問題、家庭問題で、家庭内での問題も浮上しています。さらに虐待相談対応件数は10年前と比べ倍増し、その内容として急増しているのは、心理的虐待だったのです。

日本の家庭に、一体、何が……? なぜ、児童虐待も、子どもの自殺も、増えているのでしょうか?

私は、こうした現象が起きている最大の原因は、「孤独感がネットを通して伝染していることにある」と考えています。もちろん、背景には、「地域社会の絆が薄れ、男性の育児休業取得率が低く、女性のみに育児の負担がかかること」、そして「そうした育児労働が市場的に評価されない風土があること」等、親(特に、母親)の心が追いつめられやすいという社会環境がそこにはあります。

◆虐待相談対応件数が倍増……この10年に何があった⁉

こうした環境は早急に改善していかなくてはなりませんが、状況は10年前と大差はありません。そこで、10年前と比べ、虐待相談対応件数が倍増した理由について、「10年前と現在とを比較すると、何が変わったのか」という視点から考えてみましょう。

一つ目は、相談支援体制の改善があげられます。まだまだ改善の余地はありますが、19年前に児童虐待の防止等に関する法律ができたことをきっかけに、児童福祉法も有効に行使されるようになり、虐待に対する意識や知識が高まりました。

これらの法律はさらなる充実化に向けて改正を繰り返し、虐待の発見に寄与しています。こうしたことが、相談対応件数の増加に影響を及ぼしたと考えられるのです。

二つ目の変化が、テクノロジーの発達。今まで一人で抱えていた心の奥底の本音を匿名で表現できる場が、ネット上にできたわけです。育児の大変さだけでなく、匿名だからこそ語れる内容を不特定多数の人に向けてつぶやき、承認を得ることにより、ストレスを発散させ心の拠り所にする人が増えました。

しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。実は、そうした行動が個人だけでなく社会全体に孤独感を増長させ、それが、児童虐待や子どもの自殺の増加に関係しているのかもしれないという問題です。

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最終更新:6/20(木) 21:15
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