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週刊BCNが大阪市でSIer・リセラーのためのITトレンドセミナー、注目のIT商材に地元SIerなどが熱視線

6/20(木) 18:30配信

BCN

 週刊BCNは6月7日、大阪市で「SIer・リセラー必見!有力商材で広がるITビジネスセミナー」を開催した。法人向けIT市場の注目ベンダーが、SIer・リセラー向けに自社の最新技術・商材やパートナープログラムを紹介した。

 基調講演は、IT産業ジャーナリスト兼一般社団法人ITビジネス研究会代表理事の田中克己氏が務めた。平成の約30年間で世界のGDPが4.5倍に拡大したにもかかわらず、日本は6割増程度にとどまっていることを踏まえ、「IT産業がユーザーにいい提案、本当に生産性を上げる提案をしてこなかったこともその大きな原因の一つだ」と指摘。日本のITベンダーのビジネスそのものも停滞が目立つことに憂慮を示した。その上で、「労働人口が減少する中で、ITベンダーは人月ビジネスが通用しなくなることを理解しなければならない。社員の数に依存しない、付加価値の高いサービス型ビジネスの創出を目指すべきで、SIerは受託開発に頼るのではなく、自ら事業を立ち上げ、事業領域を拡大していくことが新たな成長には不可欠」とコメント。来場者に奮起を促した。
 

 各セッションでは、市場で注目を集める製品・サービスのベンダーが自社製品のメリットやパートナー戦略を説明した。

 セッション1ではSynology Japan セールスマネージャーの田野久敏氏が登壇し、「ライセンスフリーのバックアップ機能が付随するSynologyの次世代NAS」と題してプレゼンした。同社のNASは、中小企業の社内ファイルサーバーや企業の部門サーバーなどの用途で導入事例が増えているという。田野氏は「Synology NASはファイルサーバーとバックアップソフトが一緒になっており、バックアップソフトのライセンスは必要なく、NASを購入すれば無償の付属機能として使えることになる。仮想環境やクラウドアプリケーションにも対応している」と同社製品のメリットを説明。さらに、同社は台湾に本社を置くベンダーだが、昨年日本支社を立ち上げ、マニュアルの日本語化なども進めていることを強調。サポート面でも、ハードとソフトの両方に一社で対応することから、販社としても売りやすい商材であることをアピールした。
 

 セッション2ではKDDI クラウドサービス企画部マネージャーの内山裕介氏が登壇し、「フローからストックへ。KDDIのベアメタルサーバーサービスが可能にする、月額収益型ビジネスへの変革」と題し、同社のクラウドビジネス戦略を解説した。内山氏は、「クラウド市場は堅調だが、オンプレでの複雑なカスタマイズやOS・ソフトウェアのバージョン制限、ライセンス体系の問題などでクラウド移行が難しいシステムもあり、そうした課題を解決するために、お客様ごとに専有の物理サーバーをオンデマンドで提供するベアメタルサーバーをラインアップに加えた」と説明。仮想化環境に適さないライセンスをクラウドに持ち込むことができるシステム設計の自由度や、クラウドとの接続やデータ転送を安定したネットワークでしかも無料で行うことができるのが大きな特徴だという。さらに、同社のクラウドサービスの再販や、KDDIの既存顧客のシステム開発を担うパートナーを広く募集し、エコシステムを拡大していく意向を示した。
 

 セッション3では、アクロニス・ジャパン 営業部 クラウドセールスマネージャの古舘與章氏が「クラウドバックアップ&DRサービスの月額提供を初期設備投資ゼロで実現する Acronis Cyber Cloud」をテーマにプレゼンした。アクロニス・ジャパンは14年12月から、国内で次世代型クラウドデータ保護サービスプラットフォームと銘打って「Acronis Cyber Cloud」を提供している。古舘氏は、「当社製品は、販売パートナーから見ても、サービス提供に必要なハード、ソフト、ストレージ、データセンターの全てをベンダー側が用意するため初期投資がゼロであり、自社ブランドでサービス提供していただくことも可能。多段商流にも対応する」として、パートナーが柔軟にビジネスを組み立てるための仕組みも充実させていることを強調した。
 

 セッション4では、「【事例でわかる】リモートワークを阻むセキュリティリスク3選」と題し、GMOグローバルサイン 営業本部 ストラテジックパートナー営業部チームリーダーの河田大地氏が登壇。働き方改革によりリモートワークが拡大している中、その利便性を享受するためにはセキュリティ対策が不可欠であると指摘。その上で、認証局として同社が発行している電子証明書をうまく活用すれば課題を解決できると説明。デバイスの多要素認証に電子証明書を活用したり、BYODを採用するケースでは私用デバイスに電子証明書を設定して社内システムへのアクセス範囲を制限するなどの対策が有効であること、さらには文書の作成や申請書類の承認などで電子署名とタイムスタンプを活用することで信頼性が高められることを強調した。河田氏はリセラーパートナー制度にも言及し、「(証明書の)代行取得や発行の取り次ぎがメインで、不定期だが証明書の取り扱いは一定量のボリュームがあるなど、パートナーには特にメリットが大きい」とアピールした。
 

 セッション5では、サイボウズ ビジネスマーケティング本部プロダクトマネージャーの池田陽介氏が登壇。「【事例紹介/移行支援】サイボウズで実現するNotesマイグレーション グループウェア『Garoon』と業務アプリプラットフォーム『kintone』のご紹介」と題してプレゼンした。コラボレーションツール/業務アプリケーション基盤の「IBM Notes」から、サイボウズ製品への移行案件が近年増加しているといい、池田氏は「昨年末にIBMがNotes事業を売却するという情報が出たことで、Notesからの移行の流れはさらに加速している感がある」と説明。同社は、Notesのグループウェア機能の移行先としては大企業向けグループウェア製品Garoonを、ユーザー独自の業務に合わせてNotesDBで作成された業務アプリの移行の受け皿としてクラウド業務アプリプラットフォームkintoneを提案しており、豊富な移行実績を通して蓄積した移行プロジェクトの勘所を解説し、パートナーのビジネスチャンスも大きいことを強調した。
 

 セッション6では、「市場が求むIT運用・セキュリティの基本ソリューション “ManageEngine”」をテーマに、ゾーホージャパン ManageEngine事業部ソリューションエバンジェリストの曽根禎行氏がプレゼン。同社の統合監視ツールである「ManageEngine」の概要や販売戦略・パートナー戦略などを事前撮影済みの動画で解説した。曽根氏はManageEngineについて、「サーバー・ネットワークなどITインフラの管理、ID・ログ・セキュリティ管理、ヘルプデスクソリューションまで、ITの運用管理とセキュリティ対策をシンプルにする広範囲なソリューションをラインアップしている。コストと運用工数の削減に大きな効果が期待できる」と解説。グローバルでは190カ国以上18万社、日本国内でも4000ライセンス以上の販売実績があるという。さらに曽根氏は、「ManageEngineは顧客満足度が高く、パートナー向けのセールスツールやセールスサポートも充実しており、SIerなどのビジネス拡大にも貢献できる」とした。

 主催者講演では、週刊BCN編集長の本多和幸が、法人向けITビジネスの技術トレンドやビジネストレンドなどについて取材情報を基に解説した。

最終更新:6/26(水) 17:31
BCN

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