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旧日本軍が県内に化学兵器持ち込む 沖縄戦のさなか 米軍資料で初確認「使用の形跡ない」

6/20(木) 5:10配信

沖縄タイムス

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】旧日本軍の化学兵器の一種「嘔吐(おうと)ガスを発する有毒性の発煙筒」が、沖縄戦のさなかに少数見つかっていたことが19日までに分かった。米陸軍が1945年7月に作成した報告書に記されていた。旧日本軍が化学兵器や装備品を沖縄に持ち込んでいたことが、米国の記録で確認されたのは初めて。

 米陸軍報告書は本紙が米情報公開法を通じて入手した。報告書には、嘔吐ガスを発する有毒性の発煙筒は旧日本軍の「九九式」と記されている。見つかった場所は「軍の交戦地域全域」とされている。これらの兵器は煙でせきや吐き気を引き起こし、鼻や喉に損傷を与える。閉ざされた空間で使用された場合は死に至る可能性もある。

 報告書によると、嘔吐ガスを発する発煙筒が米軍に対して使用された形跡はない。また、旧日本軍が米軍の沖縄侵攻に備えた新型ガスマスクや訓練図を含む、通常化学兵器への防御装備品が多く発見されたことにも言及している。

 沖縄県内では1998年に糸満市で青酸入り手りゅう弾とみられる容器、2008年には「くしゃみ剤」入り化学弾と疑われる砲弾2発が見つかっている。

 第2次世界大戦で日米両軍は大量の化学兵器を貯蔵していた。専門家は、旧日本軍が主に中国で毒ガスの発煙筒を含む化学兵器を数百回使用したと推定している。しかし、太平洋地域の戦場で連合国軍に使用された例は極めてまれだ。例えば1943年1月のガナルカナル島の戦闘では、旧日本軍が米軍に対して毒ガスを使用したのは2度しかない。

 旧日本軍が連合国軍への化学兵器使用に抑制的だった理由の一つは、連合国軍側の化学兵器による報復を恐れたためだ。

最終更新:6/20(木) 5:10
沖縄タイムス

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