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社会信用システムで壮大な実験進める中国、暗黒社会到来の前触れか

6/20(木) 8:31配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 中国江蘇省の蘇州市は入り組んだ水路で知られ「東洋のベネチア」とも呼ばれる。700年以上前にマルコ・ポーロも訪れたとされるこの都市は今、国民の行動を追跡するネットワークという壮大なプロジェクトで注目を集める。市民の振る舞いに対して賞罰を与える社会信用システムの実験で、習近平政権が2018年に選んだ12カ所の1つが蘇州だ。    市の花「桂花」がこのシステムの名称だ。配偶者の有無や学歴、社会保障給付などの約20の指標に関するデータが収集される仕組みだが、ペンス米副大統領ら欧米の政治家は英国の作家ジョージ・オーウェルが描いた暗黒社会につながる制度だとこのシステムを激しく批判している。世界中の独裁国家のモデルとなり得るかもしれないからだ。

起業家やボランティア、公務員、それ以外の蘇州市民数十人が桂花についてインタビューに応じてくれたが、このシステムの名称を耳にした人はほとんどいなかった。それでもこの社会信用システムは2020年までに中国全土で法律や規制、基準の策定に使われる予定だ。

エール大学法学院蔡中曾中国センターのジェレミー・ダウム上級研究員は「監視カメラや顔認証によるモニター能力を大げさに言うのが中国で、同じようにデータ収集・分析能力を誇張して伝えることに関心がある」と指摘し、「不正は把握されると国民に信じこませたいのだ」との見方を示した。

市中心部に近い茶色と白の3階建ての建物「蘇州市公共信用情報サービス大庁」が桂花というシステムの窓口だ。市民はここを訪れ、自分のスコアについて質問することができる。ある月曜午後に訪れてみると、建物内にほとんど人はいなかった。ジーンズにTシャツを着た女性職員によれば、1日に10人程度が訪れるという。大半が借金返済を終えた中小企業のオーナーで、金融信用のブラックリストから外れたかどうかを確かめに来るのだそうだ。自分の社会信用スコアをチェックするため来る人はほとんど見たことがないと職員は語った。

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最終更新:6/20(木) 8:31
Bloomberg

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