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老後必要資金が2000万円でも、3000万円でも。企業人事が社員のためにいますぐやるべき3つのこと

6/21(金) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ここまでの騒動を、当事者の誰が予想していただろうか。金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」(言葉を選ばずに言えば、本来目新しいものなど何もなかったはずのレポート)が、あわや国政選挙の争点となりかねない事態にまで発展している。

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報道も政治もにぎやかだ。不安をあおるもの、そもそも常識ではないかと諭すもの。実は老後資産は6000万円必要だとか、いまの高齢世帯の多くは無貯金だとか、専門家たちが毎日のように新たな見方を示してくれる。

資産形成や年金制度について、地に足の着いた議論を求める声もあるが、専門家たちの主張は、ベーシックインカムのような抜本策から在職老齢年金制度の見直しといった地道な取り組みまで、良く言えば多種多様、悪く言えば好き勝手でバラバラ。建設的な議論が進む気配をまったく感じないのは、私だけではないだろう。

老後2000万円問題が明らかにした「2つの事実」

「人生100年時代」の到来が現実のものとなり、国・企業・個人それぞれが社会の大転換と向き合うことが求められるなか、今回の騒動であらためて判ったことが2つある。

1つは、年金に対する国民の不安はやはり非常に大きいということ。

総務省統計局のデータによると、65歳以上の人口(3571万人、2019年3月概算値)はいまや正規労働者の人数(3457万人、2019年1~3月期速報値)を上回る。老後の資産形成・管理という金融庁報告書のテーマが、世間であっという間に年金制度の話にすり替えられたのは、高齢者の年金改革への警戒心がゆえだろう。

そしてもう1つ判ったことは、 国民の不安が大きすぎるがために、政府の取り組みはさらに慎重なものになるだろうことだ。

終身雇用の終えん、単身世帯の増加、非正規雇用の拡大など、さまざまな要因から国民の生活のあり方が多様化するなか、画一的な政策をもってものごとを一気に解決するのはもはや不可能だ。それに、社会保障制度の改革など法整備による対策を打ち出すには、長期的な議論が必要になる。

しかし、高齢化が急速に進むなかで老後生活への不安は日々広がり、深まっており、抜本的な方策ではなくとも、なるたけ早く不安を緩和する「次の一手」が求められている。それが何なのかは誰にとっても自明で、次のようにシンプルなことだ。

1. 60歳以降も働き続け、なおかつしっかりした報酬を得られるようにする

2. 老後のための資産づくりを、なかば強引にでも実施する

3. お金を稼ぐ能力だけではなく、蓄えて長期的な資産にする能力を広める

1.と2.について、企業の人事部門は、いずれ法制化されることを想定している。しかし、政府が今回のような国民の過剰反応を恐れて取り組みを先送りにするのであれば、法整備や社会保障改革を待たずとも、企業が自ら着手すべき時期に来ているのではないか。具体的には何をすべきか、以下で考えてみたい。

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最終更新:6/21(金) 12:11
BUSINESS INSIDER JAPAN

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