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両手両足つかまれ連行…強引な「ひきこもり支援施設」の実態を脱走者が証言

6/21(金) 12:12配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

川崎殺傷事件、元農林水産事務次官の長男殺害事件で、「ひきこもり状態」という言葉が取り沙汰されたのをきっかけに、ひきこもりの子を持つ親の間で「我が家でも、同じことが起こってしまったら……」という不安が広がっている。

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一方、こうした親の苦悩につけこんだ一部の団体によって、力づくで「自立支援施設」へ連行され、軟禁に近い扱いを受けたというひきこもり当事者の訴えが、近年相次いでいる。

施設から脱走した当事者たちは、連れ出された時の恐怖でPTSDを発症したり、親子関係が崩壊したりと深刻な事態に陥っており、強引な「自立支援施設」に安易に子どもを預けないよう呼び掛けている。

「連れ出し」の悪夢に飛び起きる日々

「『彼ら』はドアを外して私の部屋へ入り、7時間説得を続けました。拒否し続けると、最後は1人に両腕を、もう1人に両足をつかまれて引きずられ、車に押し込まれました」

アカリさん(仮名、30代前半)は2018年12月、東京都内に本拠を構える「自立支援団体」の職員5人に、施設へ連れていかれた時のことを、このように説明した。

アカリさんは、東京での仕事がうまくいかずに帰省したものの、実家でも母親から暴言を浴びせられ、部屋にひきこもりがちだった。家族は職員に引き渡す際、彼女に「お金は振り込んでおいたから、自立して」と話したという。

施設では、携帯電話を取り上げられ、外部への連絡を禁じられた。預金通帳やキャッシュカードも職員が管理し、自由に使えるお金もほとんどなかったという。2019年1月末に仕事が決まり、3月で退所したいと申し出ると、職員は「生活態度はとてもいいけれど、どうせ演技なんでしょ? “卒業”はさせられない」。

施設への不信感が募り、3月に脱走。一時生活保護を受給し、現在は働きながら生活を立て直しつつある。

しかし、親や職員によって、施設へ連れ戻されるのではないか、という恐怖は今もつきまとう。連れ出された時のことを思い出すと涙が止まらず、夢に見て悲鳴とともに飛び起きることもたびたびあるという。

「もう、社会も家族も心の底からは信じられない。家族との断絶の苦しみを味わい、未来には絶望しかない」

と、時折声を詰まらせながら語った。

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最終更新:6/21(金) 13:37
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