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感染症や生活習慣病で悪化 むくみの原因は尿タンパクで

6/22(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【検査数値 裏読みナナメ読み】

 本州の広いエリアが梅雨入りし、関東はジメジメとした日が続きます。涼しい社内で、冷たいものを一口、そしてもう一口。この先、夏にかけて暑さが増すと、外に出るのがおっくうになりがちです。それで、運動不足で冷たいものを口にすることが増えると、むくみます。

 単なる水分の取り過ぎなら、少し控えたり、運動量を増やしたりすればよく、それほど気にすることはありません。しかし、中高年になると、多かれ少なかれ、筋肉量も運動量も減る一方、いろいろな病気が絡んでくることも。そうすると、病気によるむくみでも、生活習慣に伴うむくみと誤解しかねません。

「最近、むくむなぁ」と思ったら念のために、受診するのが無難です。むくみを起こす病気として内科的に疑われるのは腎臓の異常が一番ですが、心臓や肝臓の異常、さらに薬の副作用でも生じることがあり、さまざまな検査結果を一つ一つ吟味することがとても大切です。

 読者にそのすべてを説明するのは合理的ではないので、特に重要なものとして尿検査について説明しましょう。

 溶連菌に感染して喉の痛みや熱が治まってから1~2週間後にむくんできて、血尿が出ることがあります。全身倦怠感も強く、慌てて受診して調べると、尿タンパクが+に。こういうケースは溶連菌感染による急性糸球体腎炎が疑われます。子供に多いものの、成人や高齢者も起こり得るので、要注意です。

 尿タンパクが+で、血中の総タンパクが低値なら、ネフローゼ症候群でしょう。尿にタンパクがたくさん出ることで、相対的に血液中のタンパクが減り、むくみます。その原因となる病気はさまざまで、高血圧と関係が深い慢性糸球体腎炎、糖尿病の合併症のひとつの糖尿病腎症などで生じますから、ネフローゼ症候群は、生活習慣病の進展をうかがわせます。

 さらに腎不全になると、尿タンパク陽性に加えて、採血での尿素窒素とクレアチニンが上がります。そうなる前に改善することが大切ですから、生活習慣病はしっかり治療を受け、感染に注意するよう十分な栄養と適度な運動で免疫力を高めておくことです。

 尿タンパクが-や±はどうかというと、この場合も複数の可能性があります。採血によるアルブミン値が低くて、肝機能が異常なら肝硬変。胸部X線検査で心臓が拡大していて、心電図の異常を伴うようなら心不全が疑われます。

 どの病名も深刻なものばかり。ここまでいくと、治療は大変ですから、むくみを放置するのはよくありません。突然の発症や片側だけ、痛みを伴うケースなどは警戒すべきです。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

最終更新:6/22(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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