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MY LITTLE LOVERのデビュー作 『evergreen』は時代を超えた、 まさに“evergreen”な作品

6/22(土) 18:01配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は80年代後半からヒットメイカーとしてその名を馳せていた音楽プロデューサー・小林武史が、新人ヴォーカリスト・akkoと、桑田佳佑&Mr.Childrenの「奇跡の地球」にも参加したギタリスト・藤井謙二(Gu)とともにシーンに打って出たユニットがMY LITTLE LOVERの1stアルバム『evergreen』を紹介する。同作はチャート初登場1位の上、いきなりミリオンセールスを記録した歴史的な名盤だ。この作品の何が多くのリスナーを魅了したのか。独断と偏見で分析、検証してみた。
※本稿は2015年に掲載

時を経ても色褪せない名曲

“evergreen”とはよく付けたものだ。発表されたのが1995年ということは今年でリリース20周年を迎えたわけだが、いい意味でそれを感じさせない。「Hello, Again ~昔からある場所~」を2010年にJUJUがカバーしてヒットしたことも記憶に新しいが、まさに“時を経ても色褪せない名曲”が揃ったアルバムである。正直に白状すると、筆者はこのアルバムを通して聴いたのは今回が初めてである。無論、当時大ブレイクを果たしていたMY LITTLE LOVER(以下マイラバ)の楽曲は否が応にも耳に入ってきたし、一連のヒットナンバーの秀逸さは十分に認識していたが、何故かアルバムを通して聴く機会をここまで逸していた。よって、初物に出会った時の新鮮さもあって、“色褪せない”と感じたところもあるだろう。それは否定しない。だが、この作品には、そういった聴き手の都合とは関係ない、ある種、絶対的とも言える音楽要素が詰まっていると思う。

まず、本作は時代的、流行的要素が薄い。60~70年代は録音技術的に如何ともし難く、そして80年代は技術の進歩ゆえに、古今東西、さまざまな音源にはその時代ならではの音像がパッケージングされてきた。例えば、60~70年代はマイルド、80年代はエッジが効いた…といった具合に、リマスターしようがその当時の音のフォルムはなくならず、今聴いても時代性を認識することができるものが多い。『evergreen』に関して言えば、90年代という時期が良かったのか、そうした時代性をパッと認識できるほどの音像がないと思う。そりゃあ、それ以前には使われていないレコーディング技術の賜物でもあろうし、クリアーな音は明らかに90年代以降のものだろうが、少なくとも80年代に多く見受けられたドンシャリ感は鳴りを潜めているし、かと言って、懐古的に60~70年代を意識した音作りがなされているわけでもない。

また、所謂ジャンルに関しても、突出した偏りを見出すことができない。もちろん、M2「Free」やM3「白いカイト」はモータウン系であり、M8「Delicacy」はファンクといったようにジャンル分けはできる。オルタナの影響を感じなくもないノイジーなギターもあるし、AOR的なサウンドメイキングも随所にある。しかしながら、「僕たち、大好きなモータウンが大好きなんです!」といった悪い意味での気負いのようなものも感じられないし、マニアックな隠し要素が注入されているような雰囲気も皆無だ。万人受けする汎用性の高いポップスである。そもそも、マイラバはサザンオールスターズ、Mr.Childrenのプロデューサーとして知られる小林武史が、akko(Vo)と藤井謙二(Gu)との2人組ユニットとしてデビューさせたものなので(のちに小林武史もキーボーディストとして参加)、バンドとは異なり、変化自在なサウンドを標榜したところもあったのだろうが、こうして客観的に聴いてみると──誤解を恐れずに言うならば、妙な個性は感じられない。

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最終更新:6/22(土) 18:01
OKMusic

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