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「うわっ入る気しねえ」。川島永嗣と対峙した五輪世代が受け継ぐべきもの

6/22(土) 15:00配信

GOAL

日本時間21日、日本代表はコパ・アメリカ2019第2節でウルグアイ代表戦と2-2で引き分けた。グループ突破に望みをつなぐ価値のある勝ち点1を獲得する熱戦となったが、その試合では2得点を決めた三好康児の活躍もさることながら、8本の枠内シュートをセーブしたベテランGK川島永嗣も輝きを放った。【取材・文=川端暁彦】

川島と対峙すると「入る気しねえ」

 ウルグアイ戦の前々日、チリ代表戦の先発組を除いた選手たちで行われたトレーニングで傑出した存在感を放っている選手がいた。ゲーム形式の練習では、よく通る声でチームメイトを動かし、鼓舞し、シュートは止めてみせる。最後に行われたシュート練習では、正対した選手が明らかに威迫されているような空気もあった。

 「いざ対峙するとすごく迫力あって、『うわっ入る気しねえな』という感じで……」。松本泰志はそう言って笑った。確かな技術と判断、そして経験と実績に裏打ちされた雰囲気。少々抽象的ではあるが、この「入る気しねえ」という感覚を対峙したシューターに与えられるかどうかは、やはり良いGKの条件だろう。2010年の南アフリカW杯から長く日本代表の正GKを務めてきた36歳の川島には、それが備わっている。

 今大会に臨むにあたって、川島は自分の立場を受け入れていた。「この若いチームを自分がどうサポートしていけるかを考えていた」と振り返る。ポジションを争う形になった19歳の大迫敬介にも快くアドバイスを送り、冒頭の松本には練習の中で「シュートを打たないボランチなんて怖くないぞ」という助言を与えてもいる。

 「若い選手をサポートしたい」という気持ちを誰より強く持って臨んでいることは明らかで、たとえばこの練習を観ていて驚いたのは、川島がほとんど初対面だった今回のメンバーの名前をすでにしっかり覚えて、おそらく特徴まで把握済みなこと。曖昧なコーチングはまったく無くて、ポジションレスなミニゲームであっても、背中を観ればそれが誰だか分かっているようだった。

 森保監督も「声を出してくれているのは(川島)永嗣」と感謝していたが、単に「声を出している」というレベルではない。圧倒的な実績を持つ選手だけに、第1戦でベンチを温めた状況で腐っていてもおかしくないのだが、そんな様子は微塵もなかった。全体練習が終わったあとは、一人でしっかり走り込みを行って心身の状態をメンテナンスしていたのも印象的で、暗いグラウンドを孤独にランニングしている背中が、この守護神が日本を背負い続けてきた理由を雄弁に物語っていた。

「トレーニングをしなくて良くなるモノは無いと思っていますし、自分自身を向上させるためにも、試合に向けて良いコンディションを作るためにもやっている。日々のところからやればやるだけ体は反応するし、そこを無理してやらなくて良いなんてことはない。しっかり自分の体と話をしながらやっている」(川島)

 今季リーグ戦の出場はわずかに1試合。試合勘に不安があってもおかしくないし、コンディションを落としてもおかしくない。ただ、その体はしっかり締まっていて、「コンディションは全然良いですよ」と笑顔を見せるほどだった。そして試合に入れば、堂々としたパフォーマンスを見せ付けた。

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最終更新:6/28(金) 0:49
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