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【佐藤優コラム】北朝鮮との関係改善が中韓連携強化くさびに

6/24(月) 9:00配信

スポーツ報知

 20日、中国の習近平・国家主席が北朝鮮の平壌を国賓として訪れ、金正恩・朝鮮労働党委員長と会談した。中国の最高指導者の訪朝は14年ぶりの出来事だ。この関連で、朝鮮労働党中央機関紙「労働新聞」に習近平氏の寄稿が掲載された。

 <習主席は約2600文字に達する寄稿文で「韓半島(朝鮮半島)問題に関連した対話と交渉で進展を成し遂げるように寄与したい」という立場を明らかにした。自身が膠着(こうちゃく)状態に陥った米朝非核化会談において促進者の役割を果たすということだ。習主席は「新しい時代に中朝関係が風浪をかき分けて力強く前進するように追求するだろう」としながら「両国の人民は外勢の侵略を共同で反対し、国の独立と民族の解放を勝ち取るための闘争をした」と書いた。北朝鮮と戦略的協力関係および伝統的な親善関係を強固にするという約束だ。これに先立ち、金委員長と習主席は1月北京で首脳会談を行い戦略的協力を約束した>(20日、韓国紙「中央日報」日本語版)。

 現在、米朝交渉が停滞し、トランプ米大統領と金正恩委員長との第3回首脳会談のメドもまったく立っていない。この状況で、習近平氏は、善意の仲介者を装って、朝鮮半島の勢力再編に関与しようとしている。米朝関係が正常化すれば、北緯38度線付近の軍事境界線がなくなり、北朝鮮と韓国のヒト、モノ、カネの往来が可能になる。これは地政学的に韓国が中国に引き寄せられるようになることを意味する。その結果、中国、北朝鮮、韓国が連携して日本に対峙(たいじ)する状況が生じる。

 38度線の安全保障上の緊張線が対馬海峡に南下する。このような日本封じ込めに対して、政府は有効な措置を講じる必要がある。その意味で、安倍晋三首相が金正恩委員長と無条件に会談する意向を示したことには大きな意味がある。

 日本が北朝鮮との関係を改善することによって、中国と韓国の連携強化にくさびを打ち込むことになるからだ。北朝鮮も、中国と韓国に従属するような状況になることを避けるために日本との関係改善に乗り出す可能性が十分ある。(作家、元外務省主任分析官)

最終更新:6/24(月) 9:00
スポーツ報知

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