ここから本文です

中国とロシアが国交樹立から70年~それでも脆弱な両国の関係

6/23(日) 8:20配信

ニッポン放送

外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月7日放送)に出演。習近平国家主席の訪露の報道から、アメリカに対する中国とロシアの関係について解説した。

中国とロシアが国交樹立から70年、対米連携をアピール

2019年は中国とロシアの国交樹立から70年にあたる。6月5日から習近平国家主席がロシアを訪問していて、様々な記念行事も実施されている。わかりやすいところでは習近平氏とプーチン氏の5日の会談の後、モスクワ動物園を訪れてパンダの贈呈式に出席した。中国はオスとメスのジャイアントパンダを友好のしるしとして有償でロシアに貸与している。なお、習氏は現地時間の7日までロシアに滞在する予定。

飯田)パンダを贈ったり握手をしたり、いろいろしていますね。

宮家)もともと世界には様々な国があるけれども、私の経験で言うと、大陸にあって、国境が陸上で接している国同士で仲のいい国はないのですよ。

飯田)ないのですか。

宮家)例えばフランスとドイツ、ポーランドとロシアとか。アメリカとカナダだってそうですからね。

飯田)仲が悪いのですか?

中国とロシアは弱者同盟~妥協の産物

宮家)ええ。であれば、中国とロシアの仲がいいわけがないでしょう。でも、アメリカとカナダなんて似たような人種構成ではないですか。ところが、中国とロシアは人種も文化もまるで違うのですよ。この2つの国が対米連携をアピールしていますが、それはいまアメリカとの関係がどちらも悪いからです。

しかし、アメリカとの関係がよくなったらどうしますか? アメリカを取りますよ、それはアメリカの方がいいに決まっているのだから。今の中露は一種の弱者同盟なので、うまく機能するとは思いません。そして特に今言えるのは、アメリカと中国の関係がおかしくなっている。日経新聞に非常に良い記事が出ています。フィナンシャルタイムズの人が書いたのですけれど、イギリスの知性が米中関係をどのように見ているかという意味で参考になると思います。簡単に言うと、米中がいまやっていることは間違いである、間違いだけれどこれが現実であると。アメリカと中国は100年戦争だと言っているのです。

飯田)日経新聞の5面、オピニオンのところに出ております。『米「対中100年戦争」の愚』 、フィナンシャルタイムズのチーフ・エコノミクス・コメンテーター、マーティン・ウルフ氏が長文を書いています。

宮家)要するに、アメリカと中国の関係が抜き差しならない険悪な状態になると、プーチンさんの身になって考えて下さい。アメリカと中国はこれからそうとうの大ゲンカをする。そのときにロシアの利益を考えたら、中国について一緒にアメリカと喧嘩しますか? そうしたら共倒れになる可能性がありますよ。私なら、とにかくアメリカに「お手伝いしてもいいですよ。そのかわり、クリミア併合のときの経済制裁を何とかしてください。何とかしてくれるのだったらそちらにつくから」と言うかもしれない。その方がロシアにとって利益が大きいかもしれません。中露とはその程度の関係ですよ。

両者は戦略的な同盟国ではなくて、あくまで戦術的な協力者、妥協の産物です。そういうものだと考えたときに、アピールをするのはけっこうだけれど、実はそこに弱点があると見ています。もちろん当面両者は協力しますよ、両方ともアメリカとの関係が厳しいから。しかしその後、中国が強くなりすぎたときにロシアがどう対応するか。ロシアは中国ではなく、他のオプションを考えるかもしれない。中露はまだまだ脆弱な関係だと思います。

1/2ページ

最終更新:6/23(日) 8:20
ニッポン放送

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事