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私だけの「かわいい」着ぐるみでやっと見つけた 身長140センチ、あきらめた夢とコンプレックスの先に…

6/27(木) 7:00配信

withnews

 女の子は「お手本」に出会うのが早い。ファッション雑誌を見ながら、友人に「これ、かわいいよね」と言われると、例えひっかかりがあったとしても、「うん、かわいい」と言ってみる。そして、自分の目を「お手本」に合わせていくーー。

【画像】「自分がいま楽しい」身長140センチの私 自分だけの「かわいい」着ぐるみで見つけた女性

 「身長140cmの私はダンサーになれない」。そう思っていたちびたさんは、着ぐるみの中の人「スーツアクター」の道を見つけた。今はお気に入りの服や自作のコスチューム、そしてお面をつけてイベントに出る。コンプレックスに悩み向き合い、そして自分だけの「かわいい」に出会うまでの道のりを聞いた。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

そこにいたのは、とても小柄な女性だった

 身長165cmの記者が近付くと、完全に見下ろす形になった。140cm、とても小柄な女性が、待ち合わせ場所に現れた。

 ちびたさんは、キャラクターの着ぐるみの「中の人」として働くかたわら、個人としてはドールタイプと呼ばれる人型に近い着ぐるみを着て活動している。

 二重の目にシャープなあご。パステルカラーをあしらった服装に、メルヘンなモチーフのアクセサリーがとても似合っていた。「服装も、雰囲気も、とってもかわいらしいですね」と言うと、「いえ、全然そんなことないです」。ちびたさんは、顔をそらしながら控えめに答えた。

 日常会話でよくあるやりとりではあるのだが、なんとなくその様子が、少し気になった。

 どうしてちびたさんは、仕事でもプライベートでも、「着ぐるみ」とともに生きているのか。

 話を聞くと、ちびたさんのこれまでは、「かわいい」にとらわれ、「かわいい」に救われてきた。

ダンサーの夢、あきらめた訳は

 ちびたさんの幼い頃の夢は、ダンサーになること。3歳頃からバレエを習い続けてきたが、テーマパークでダンサーの姿を見てから、それが「なりたい仕事」になった。

 「昔から私は恥ずかしがり屋で、人前に出るのが苦手でした。バレエの発表会も、いつも恥ずかしさでいっぱい。でも、ダンサーさんがパフォーマンスで、周りの人たちを笑顔にしているのを見て、『私もこうなりたい』って思ったんです」

 そんな思いを抱いていた中学生のとき、あることに気がついた。身長が伸びないのだ。

 「私って小さいのかもな、くらいにしか思ってなかったんですけどね」。そうちびたさんは振り返る。

 しかし、高校選びをきっかけに、将来を考えるころ、ダンサーの職業について調べてみることにした。当時見たテーマパークの募集要項にあったのは、身長160cm以上という条件。他の会社を探しても、「155cm以上」という条件より低いものは見つからなかった。その理由は衣装のサイズや、全体としての統一感。

 そこで、自分がダンサーとして採用されることは非常に難しいと知った。

 「ああ、私はなれないんだって思いました。あきらめなきゃいけないんだって」。ちびたさんは、そこで夢を手放した。

 話す小柄なちびたさんが、更に小さく見えた。

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最終更新:6/27(木) 7:00
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