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東芝が次世代太陽電池で成果、タンデム型で発電効率23.8%を記録

6/25(火) 18:41配信

スマートジャパン

 東芝は2019年6月、開発した透過型亜酸化銅(Cu2O)を用いた低コストのタンデム型太陽電池が、現在広く普及している結晶シリコン(Si)太陽電池単体での発電効率を上回った発表した。今後、蓄電池と組み合わせた自家発電システム、地域毎の分散電源、これらを統合し電力需給バランスを調整するエネルギーアグリゲーションなどの新たなグリーンエネルギー事業への活用が期待できるとしている。

 タンデム型太陽電池は、異なる性質の太陽電池(セル)をボトムセルとトップセルとして重ね合わせ、両方のセルで発電することにより、全体としての発電効率を上げる。東芝は2019年1月に、世界で初めてという地球上に豊富に存在する銅の酸化物で低コスト化が期待できる亜酸化銅(Cu2O)を用いたセルの透明化に成功した。この透過型Cu2O太陽電池をトップセルに用いたタンデム型太陽電池を合わせて開発し、Si単体での発電効率と同等の22%を達成したが、今回、効率さらに1.8%向上させ、Si単体での発電効率を上回る23.8%を達成することに成功した。

 現在タンデム型としてはガリウムヒ素半導体などを用いた太陽電池が製品化され、市販の結晶Si太陽電池と比べて1.5倍から2倍高い30%台の発電効率が報告されている。一方で、結晶Si単体の太陽電池と比べて製造コストが数百倍~数千倍と高く、低コスト化が望まれている。

 今回開発した透過型Cu2O太陽電池は、短波長光を吸収して発電し、長波長光を約80%透過できる。東芝は、Cu2Oの透明化技術を開発することで、現在広く普及している結晶Si太陽電池と組合せて、短波長から長波長まで幅広い波長の光をエネルギーに変換することができる、低コストで高効率なタンデム型太陽電池へ可能性を示した。

 また、Cu2Oの透明化に続き、タンデム型太陽電池の発電効率がボトムセル単体の効率よりも高くなるというタンデム型の最大の特徴を実現するために、透過型Cu2O太陽電池の高効率化に取り組んだ。今年1月の開発時では、トップセルが4.4%、ボトムセルが17.6%、全体で22%と、結晶Si単体と同等の効率だった。

 透過型Cu2O太陽電池は、下から裏面電極、p層、n層、表面透明電極で構成されており(図1)、p層に採用したCu2O薄膜で短波長光を吸収して、発生したプラスの電流を裏面電極から取出し、マイナスの電流はn層を介して表面透明電極から取り出すことで、光を電気のエネルギーに変換している。p層とn層の組み合わせによっては、2つの層の界面に生じる電位差(2つの層のエネルギーのズレ)が大きくなるため、ズレの分両方の電極から電気として取り出せる電圧が低下し、効率が低下する。

 そこで東芝は、n層の材料に着目し、従来に代わる新しいn型酸化物半導体材料を適用することで、電位差を小さくすることに成功した。同技術を採用したタンデム型太陽電池で、23.8%の発電効率を達成。ボトムセルの結晶Si太陽電池単体の効率22%よりも効率が1.8%高く、タンデム化による効率向上を確認した。

 今後、n層をさらに適正化し、エネルギーの損失を減らすことで、より高い効率が実現できると期待される。東芝は、3年後に透過型Cu2O太陽電池とそれを適用したタンデム型太陽電池の技術完成を目指し、効率30%台の実現に向けた研究開発を進める方針だ。

スマートジャパン

最終更新:6/25(火) 18:41
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