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世界初「胸にスマホを当てるだけ」呼吸疾患判定アプリが登場。北欧のシリコンバレー、フィンランドから

6/25(火) 12:12配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

スマホアプリの世界で、そして同時に医療の世界で、革命的な発明が生まれるかもしれない。

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フィンランド北部にあるオウル大学の研究グループは、スマホを使って簡単に呼吸機能を測定するアプリケーションの開発に成功したことを明らかにした。

大病院で1時間かかる検査が、わずか数分で

これまで、ぜん息のような呼吸器の病気を診断するためには、大病院で採用されている「ボディ・プレスチモグラフ(ボディ・ボックス)」という大がかりな機器を使った検査が必要だった。機器の操作は訓練を受けた技術者が行わねばならず、検査にはまるまる1時間かかるうえ、患者はその間チューブをくわえて呼吸しなければならなかった。

ところが、今回オウル大学が開発したアプリは、スマホに搭載された各種センサーや機能を組み合わせることで、「スマホを胸に当てるだけで」(分析処理も含めて)わずか数分で呼吸機能を測定できる。

研究グループを率いるオウル大学のタピオ・セッパネン教授によると、アプリの仕組みは次のようなものだ。

人間の身体は、呼吸が苦しくなると、気道が収縮して空気の抵抗が大きくなるので、より大きな呼吸の動作を行って空気を吸い込もうとする(呼吸努力)。具体的には、ろっ骨の間にある横隔膜と内ろく間筋などを収縮させて息を吸い、弛緩させて息を吐き出すわけだが、当然その動きは胸(胸郭)の動きにも反映される。

アプリは、スマホの内蔵センサーを通じて得られる「胸の動き」の信号データの変化から、気道の狭窄や閉塞の存在を計算して割り出す。人工知能を活用して数々の(無呼吸や低呼吸など)呼吸イベントを学習認識し、どんなパターンに当てはまるかを高い確率で見抜くことができる。

セッパネン教授らはこの手法を「呼吸努力テスト」と名づけ、オウル大学から資金を調達して実証(Proof of Concept、POC)実験に着手。最近、臨床試験に移行した。すでにフィンランド国内の病院からは有望なデータが得られ始めているという。

世界各国での特許出願も済ませ、現在はバリデーション(適格性評価)に向けた資金調達を進めており、数年以内の市場投入を目指している。

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最終更新:6/25(火) 12:12
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