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メタボ人口歯止めきかず、対策食品に大きな期待

6/25(火) 10:15配信

健康産業新聞

抗メタボ機能性表示食品は850品超

 厚生労働省が昨年発表した国民の健康づくり計画「健康日本21」の中間報告では、メタボリックシンドローム該当者・予備軍がここ5年で増加し、1,412万人になった。「死の四重奏」と呼ばれる肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病が引き起こす動脈硬化や冠動脈疾患の患者数も年々増加。こうした現象は国内のみならず世界的に広がっており、世界人口の死因を調査したデータでは、メタボが要因と報告されたのは約60%で、2030年には約1.5倍に増加するとの予想もある。

 国内の健康食品業界に目を移すと、抗メタボカテゴリーは活況だ。機能性表示食品では全受理数の半数近い850品超がメタボ対応。機能性研究の取り組みも加速しており、関連市場はさらなる拡大の様相を呈している。

■減らないメタボ人口

 メタボリックシンドロームは、肥満(中心性肥満・内臓肥満)、インスリン抵抗性や高血糖、脂質代謝異常(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧といった動脈硬化性疾患と2型糖尿病発症リスク因子が集積した病態を指す。

 昨年厚労省が発表した国民の健康づくり計画「健康日本21」(2013~22年度まで予定)の中間報告では、メタボ該当者と予備軍は計画策定時の約1,400万人から12万人増加し1,412万人になったという。BMI値が25以上の「肥満」の割合についても、20~60代男性で31.2%から32.4%と増加していたことがわかった。厚労省ではこの結果を受け、メタボ該当者、予備軍の当初目標1,050万人への削減政策について、達成時期を2022年に延長している。

■機能性表示食品、約半数がメタボ対応

 2015年4月にスタートした機能性表示食品制度によって、企業責任に基づく食品への機能性表示が可能になった。現在、「糖の吸収を抑える」「体脂肪・内臓脂肪を低減する」「血圧を下げる」「コレステロールを下げる」といったメタボ領域での表示を行う商品が数多く受理されており、消費者も高い関心を寄せている。

 民間の調査会社が実施した消費者調査では、脂肪対策として摂取したい商品として「機能性表示食品」69.5%、「特定保健用食品」72.4%、「OTC医薬品」48.1%、「病院での処方薬」47.0%となり、機能性表示食品やトクホがOTC医薬品・処方薬を上回る結果となった。

 現在、ダイエットや抗メタボをターゲットとした食品市場は4,000億円規模とされており、年率5%以上の伸張率で推移するなど好調なマーケットとなっている。機能性表示食品においても総受理数の約半数の867品が抗メタボカテゴリーでの受理となっており(2019年5月末時点)、テーマ別の比率では「脂肪」をターゲットとしたものが48%、「糖」をターゲットにしたものが32%を占めている。抗メタボ商品は、機能性表示食品の主流テーマでもあり、今後も関連商品の開発は活発化すると予想される。

■腸内フローラが肥満に関連

 最近では、体脂肪や内臓脂肪低減を訴求する乳酸菌も登場するなど、腸内フローラと肥満との相関についての関心も高い。腸内フローラの詳細な解析が可能になったことで、各病態に対する腸内フローラの状態や傾向もわかってきた。肥満についても特有の菌類が多く存在することが判明しており、腸内環境のバランスを改善することが肥満対策に有効と指摘されている。

 なかでも“痩せ菌”として注目を集めているのが、短鎖脂肪酸を多くつくる「バクテロイデーテス菌」や、ムチン分解菌の「アッカーマンシア・ムシニフィラ菌」などの新菌種だ。

 岡山大学大学院環境生命科学研究科教授の森田英利氏は、肥満の要因に腸内環境が大きく関わっていると指摘。痩せ型の腸内では、「バクテロイデーテス菌」の占める割合が高いという。また、東京農業大学教授の野本耕二氏も、「アッカーマンシア・ムシニフィラ菌」について、次世代プロバイオティクスと呼び、「代謝性内毒素血症の軽減が期待でき、肥満や糖尿病症状の抑制の可能性がある」と説明するなど、今後さらなる注目を集めそうだ。

 現在、抗肥満・抗メタボについては、健康寿命を大きく左右する重要な研究として世界共通で認識されており、あらゆるメカニズムの解明が進んでいる。予防領域として期待される食品の機能性についても同時に検証が進んでおり、今後ますます多様な素材が市場に登場すると予想される。

最終更新:6/25(火) 18:34
健康産業新聞

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