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「賞味期限切れ食品専門ショップ」の大いなる挑戦

6/25(火) 12:02配信

メシ通

「賞味期限がすでに切れている食料品」を専門に販売する店がオープンしたという情報を耳にしたのは今年(2019年)春頃のことだった。
大阪市福島区玉川、JR環状線の野田駅の近くにそのお店があると知りつつしばらく足を運べないでいたのだが、用事があって近くに行く機会があり、立ち寄ってみることにした。

賞味期限間近の非常食をおいしい料理に変身させてみた

軒並み驚異的に安い

最寄りの野田駅から数分歩くとその店が見つかった。
「eco eat(エコイート)」というお店だ。看板には「フードロス削減ショップ」という文字も見える。

店頭に並ぶ商品に目をやると、マレーシアの「ラクサラーメン」という袋入りインスタントラーメンが1袋20円だという。
しかし、写真下の赤で囲った部分に表示されている通り、賞味期限は2019年1月19日。

当取材は2019年5月に行ったものなので、1日2日でも1週間とかでもなく、もうだいぶ過ぎている。

取材当日のみのセール価格ではあったが、「Waiola」というメーカーのココナッツウォーターが1本10円。

マレーシアの「Vits」という袋入りインスタントラーメンの5個入りパックが50円。

缶詰、白飯、お菓子が100円以下

店内に入ってみるとこの調子で激安商品がひしめいている。

賞味期限が昨2018年末で切れている缶詰。

賞味期限がまだ切れてはいないけど、もうすぐ切れてしまうものも(取材時は2019年5月)。

保存食用の白飯が格安になっていたり。

見たことのない「ココナッツチップス」というお菓子は50円でした。

クレーム客がリピーターになっていった

買い物は後ほどするとして、この賞味期限切れ、あるいは賞味期限切れに近い商品を専門に扱うというスタイルのお店がどのようにして生まれたのか、ちょっと興味が湧いてくるではないか。そこで、「eco eat」の代表を務める高津博司さんにお話を聞いてみることにした。
この「eco eat」がオープンしたのは2019年4月のこと。高津さんはもともと海外から様々な商品を輸入販売する商社に勤めていて、その仕事をする上で、賞味期限が迫っていたり、切れてしまっているような、いわゆる“ワケあり商品”が無数に存在することを知った。
食品ロスの問題が日本国内でも注目されつつある中、そういったワケあり商品をただ廃棄するのではなく、必要とする人の元に流通させられないかと高津さんは考えた。
そしてオンラインショップでそういった商品を販売し始めたのが2015年のことだったという。

──この「eco eat」がオープンする前から高津さんは賞味期限が切れていたり、近かったりする食品を扱っていたんですね。

高津さん(以下、敬称略):私は商社にいたのでそういう品物の情報が入ってきたんです。それを販売することができるのか、まず法的な部分を調べてみたところ、問題ないことがわかりました。食品には「賞味期限」と「消費期限」があるんですけど、消費期限は、それを過ぎると安全性が損なわれる可能性があります。一方の賞味期限に関しては、メーカー側が「美味しく食べられる期限」として設定しているもので、商品特性や保存状態によっては期限を過ぎても美味しく食べられるんです。

──私も賞味期限が多少切れていようと気にしない方で、実際それでお腹が壊したりした記憶もないです。

高津:そうですね。賞味期限切迫、あるいはすでに切れている商品を扱うようになって学んだんですが、賞味期限って一口に言っても、種類によって、期限が1カ月ぐらいしかないもの、5年ぐらいあるものとさまざまで、保存状態や、もともとの賞味期限がどれぐらいあってそれをどれぐらい過ぎているのか、といった条件でだいぶ違うんです。賞味期限をどれぐらい過ぎたらどれぐらい味が落ちるのか、それを食品のジャンルごとに試しながら、最初は飲料などから販売し始めました。

──なるほど。それが2015年頃ということですね。

高津:オンラインで販売したんですが、お客様からのクレームが多かったんです。「賞味期限が切れてるんですけど!」と(笑)。もちろん、商品名にも商品説明欄にもそのことは明記したんですけど、それでもクレームが来て。お客様からしたら、「まさか賞味期限切れを普通に販売しているはずないだろう」という先入観もあったのだと思います。「なんかめっちゃ安いな」ぐらいで。

──賞味期限が過ぎているからこそ安いのに、それでも苦情が出るんですね。

高津:そこでクレームのあったお客様に対して、賞味期限というものについて電話やメールで一件一件じっくり説明していったんです。お話してみると、「知らなかった。安全でこれだけ安く購入できるんだったら問題ないですね」と納得してくださる方が意外と多くて、そういう方が徐々にリピーターになってくれたんです。

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最終更新:6/25(火) 12:25
メシ通

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