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ソフトボトルなめ茸の市場定着進む

6/25(火) 19:00配信

日本食糧新聞

「ご飯のお供」として親しまれている、なめ茸。昭和、平成と家庭の食卓で一定の立ち位置を築いてきた定番が、令和を迎えて進化を見せつつある。なめ茸の特徴的な容器、ガラス製偏平瓶に代わって一部で採用が進むソフトボトルタイプの製品は、スーパーなど幅広いチャネルで採用が拡大。食の多様化や「ご飯離れ」で需要基盤が揺らぐ中、ユーザーの目を引く新たなスタイルと扱いやすさで新たなニーズを獲得し始めている。

冷蔵庫のドアポケットにしまえて好評

一方で、レギュラーの瓶アイテムは廉価傾向があらためて強まり、安い中国産への切り替えも活発化。極端な低価格路線でカテゴリーシェア2位の座を占めていた小松食品が2015年9月に倒産したことで、一時は適正価格への見直しに期待が高まったが、市場の低価格要求は根強く、実勢価格は低迷が続く。上がる一方の原材料費、輸送費、人件費といったコストに圧迫される業界は、さらに難しいかじ取りを迫られている。

誕生から、およそ半世紀。消費シーンは大きく変わり、ユーザーの世代交代も進む。廉価体質からの脱却という難題が重くのしかかる中で、業界は価格から価値への訴求シフトを急いでいる。

ナガノトマトが2014年秋から展開している、ソフトボトル容器のなめ茸シリーズ。一般的なガラス瓶アイテムに比べ、スプーンなどが不要なハンドリングの良さ、軽量で破瓶の心配がない安全性などを武器に、家庭用、業務用の両市場でシェアを広げている。

昨夏、全国のご当地チューブ食品と特集したTVのバラエティー番組で取り上げられると、全国のスーパーなどから問い合わせが殺到。量販店や高速道のサービスエリア、「道の駅」などと併せ、さまざまなチャネルで採用を伸ばした。

軽量、破損リスクの軽減など輸送面でのメリットから、eコマースなどによる通信販売、宅配などでも優位性を発揮している。

同社の2018年4月~2019年3月期のなめ茸カテゴリー売上高は、前年比で約6%のアップ。瓶物は微減で推移し、ボトル製品の好調が引き上げた格好だ。

「ボトルタイプは通常の瓶物に比べて商品の背丈が高いため、スーパーの瓶詰棚ではまだちょっと浮いた感じだが、ユーザーからは冷蔵庫のドアポケットにマヨネーズ、ケチャップと同じようにしまえるのが良いと好評。瓶詰は、いつの間にか冷蔵庫の奥で眠ってしまいがちなので、ユーザーが食べる頻度も高まっているのでは」(同社営業部)

ただ、市場定着が進む半面、瓶詰製品と比べた割高感も顕在化しつつある。家庭用アイテム(270g)の実勢価格は400円弱と、一般的な瓶詰製品(固形分60%、120g)より約1.8倍高く推移。土産物系では500円前後で販売している店もある。

「スーパーの、いわゆる『300円の壁』をどう超えていくか。短期的には難しいが、製造効率の改善などを進め、価格を抑えていく必要がある」(井垣孝夫ナガノトマト社長)

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最終更新:6/25(火) 19:00
日本食糧新聞

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