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【その壁を超えてゆけ】「記録男」ヤクルト青木宣親、失敗だらけの野球人生

6/25(火) 17:00配信

日刊スポーツ

今シーズン、史上最速でのNPB通算1500安打を達成した。他にも、史上初めてとなる2度目のシーズン200安打、さらには日米通算2000安打。NPB歴代最高打率の保持者でもある。
すべて、ヤクルト青木宣親外野手(37)が到達している記録だ。新人王も獲得しており、首位打者3度、最多安打2度、盗塁王1度。“安打製造機”と呼ばれ、数字だけ見れば間違いなく「輝かしい成績」。しかし、それをやってのけた本人は言う。
「輝かしいと言えば、そうかもしれない。でも、いつも必死でした。中学生の頃からずっと、目の前は壁だらけだったタイプ。今の自分に、満足していないからだと思う。今も、満足できていないです」

【写真】談笑するイチローと青木

「諦めそうになった」ロイヤルズ時代

苦しみを乗り越えた経験は、自信となり今の自分を作っている。最大の壁は、メジャーに挑戦して3年目の14年、ロイヤルズ時代に訪れた。
「本当に調子が悪くて、苦しかった。崖っぷちだった。自分が持っているものの中を探しても、新しいものを探してもダメで、諦めそうになった」
左足の付け根を痛め、渡米後初めてとなる故障者リスト入りを経験した。不振にも苦しんだ。追い詰められた時、今後の野球人生を左右する言葉を贈ってくれたのは、イチロー氏だった。食事をともにした際「考えてもダメなら、もう1回考えたら。打てるまで考えればいい」とアドバイスを受けた。目の前が、一気に開けたような気がした。
「イチローさんが言ってくれたことで、もやもやしていたものがすべて晴れた。それくらい、自分にとって必要な言葉だった。その後の野球人生においても、考えがすぐにまとまるようになった」

ずっと打破できなかったことが

打撃不振に陥ったとき、どうしたら打てるのか。「気持ちの問題」と片付けて一度は脱出しても、また不振になった際には抜け出せなくなる。その負の連鎖は、自分で断ち切らなければならない。
「気持ちの問題と解決しても、またその状況になったときに、繰り返してしまう。俺は今まで、ずっとそういう思考回路でやっていて、打破できなかった。だから、そこから自分が、さらに突き詰めるようにした。分かるまでやる」
必要なものが練習量なら、とにかくバットを振った。フィジカルに問題があるなら鍛え、ケアに時間をかけた。道具が気になるなら、細部にまでこだわって調整した。野球にまつわるすべてのことに、神経を使った。
このシーズン、前半戦の打率は2割6分。ケガからの復帰後は、2番打者として定着した。地区優勝は逃したものの、1985年以来29年ぶりとなるワールドシリーズ進出に貢献。世界一には届かなかったが、壁を乗り越えて大舞台にたどり着いたシーズンは、その後の糧になった。シーズンを終えた時の打率は、2割8分5厘だった。
「人は、10でできると知っていたら、8で諦めていることが多い気がする。もう少しのところで諦めて終わることが多い。それを9、10までいくように、自分はそこができるまでやる。いつも10までやろうと思っている。それには、また同じ状況になっても、こうすればいいと分かっていれば、自分の1つの引き出しになる」

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最終更新:6/25(火) 17:00
日刊スポーツ

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