ここから本文です

全日本で勝つことが求められるサニブラウン、そして打倒に燃える選手たち

6/25(火) 7:02配信

VICTORY

陸上の日本選手権(福岡市)が27日に開幕する。好記録が続出している男子100メートルに大きな注目が集まっている。

日本陸上競技連盟の関係者は「優勝タイムは9秒台になるのではないか」とも話す。サニブラウン(9秒97)、桐生祥秀(9秒98)の激突で、9秒台決着になるかもしれないのだ。残念ながら、自己記録10秒00を持つ山縣亮太は欠場となったとはいえ、他にも10秒0台の自己ベストを持つ選手が4人も出場する。小池祐貴(10秒04)、多田修平(10秒07)、飯塚翔太(10秒08)、ケンブリッジ飛鳥(10秒08)。いいタイムが出そうな雰囲気だ。

今、9秒台の可能性が最も高いのはサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)で間違いない。立て続けに9秒台をマークしている。5月には9秒99(追い風1・8メートル)。6月5日のNCAA全米大学選手権準決勝では追い風参考記録ながら、9秒96。さらに中1日の決勝では追い風2・0メートル以内の公認記録の範囲内となる追い風0・8メートルの条件下、9秒97。桐生が持っていた9秒98の日本記録を更新した。サニブラウンは20歳を迎え、まさに走れば9秒台が出るという状態に突入しているのだ。

「サニブラウンは日本選手権に出る意味があるのか?」。そんな声を聞いたことがある。答えからすれば、サニブラウンにとって、日本選手権を勝つことは、9月に開幕する世界陸上(カタール・ドーハ)の代表権を得る上でも大切になるのだ。

追い風参考も含め、短期間に3度の9秒台と実力は抜け始めているサニブラウンだが、世界陸上の代表が安泰なのかと言えば、そうとも言えないようだ。日本選手権を優勝すれば、無条件で内定するのだが、それを逃した場合は、厳しい代表争いを余儀なくされるのだ。

どういうことか。国際陸上競技連盟が今季から正式に導入した世界ランキングで、サニブラウンは29位で、それは何と日本人4位なのだ。桐生の11位、山縣の18位、小池の25位を追う立場に置かれている。世界ランキングは、1レースのタイムを基にポイント化したものと、大会の格が加味された順位のスコアの合計得点となる。男子100メートルの場合、上位5レースの平均得点が世界ランキングの対象となる。桐生は1277点、山縣は1243点、小池は1223点。一方、サニブラウンは1216点となっている。

世界ランキング制度は一見、実力を反映していないようにも思える。カラクリは、この通り。トラック種目の場合、大会の規模によって10段階に格付けされ、順位による点数が変わってくる。桐生が男子100メートルでは日本人初優勝を飾ったアジア選手権は上から4番目となる「GL」のカテゴリーで、1位だと170点の順位のよる点数を獲得。山縣が10秒00の3位だった去年のアジア大会は、アジア選手権より1段下の格付け。そのカテゴリーは「A」で、同様に3位だと110点となる。小池が今年6月に走ったオスロ・ダイヤモンドリーグは上から3番目となる「GW」。結果は5位だったが、順位のよる点数を130点をゲットできた。一方、NCAA全米大学選手権は優勝タイムが9秒86というハイレベルながら、大会の格付けは上から7番目の「C」。日本国内のレースと比べても、「B」の日本選手権よりも低く、静岡国際などと同じとなる。その結果、NCAA全米大学選手権は1位でも、もらえるのは60点、3位だと、わずかに45点だけしかもらえない。レベルの割に合わない大会だったのだ。

1/2ページ

最終更新:6/25(火) 7:02
VICTORY

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事