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玄関までつながる公共交通―サブスのとりくみ―

6/25(火) 19:45配信

サイエンスポータル

「ペイする」ことが大事

 導入が簡単で安価というのも大きな注目点だろう。導入側がすることは、車両にドライバー用タブレット端末を1台ずつ置くだけだ。たとえば「病院でAさんを乗せ、スーパーでBさんを乗せ、2人を駅でおろす」のような指令が、「未来シェア」のコンピューターからタブレットに送られてくる。費用については、前述のNTTドコモのAI運行バスは初期導入費50万円、月額運営費18万円と公表しているが、松原さんも「その程度。安いと思ってもらえているから需要が伸びているのではないか」と話す。初期導入費はタブレット端末と地図のカスタマイズ費、月額運営費は無線やコンピューターの使用料を含んでいる。

 気になる乗車料金だが、残念ながらここでは明言できない。サブスの導入者が利用者のニーズや状況に応じて決めるからだ。「自治体の助成が得られればワンコインもあり得るが、助成なしでワンコインは難しい。ただし、公共交通だから助成金に頼ればよいというのではなく、ちゃんと使ってもらいビジネスを成立させることが大切」と松原さん。「タクシーより安い」を大前提に、バラエティーに富んだ乗車料金プランを用意し、利用者のニーズに寄り添う料金でサブスを導入してもらいたいとのこと。定期券のように定額制で乗り放題といった、いかにも公共交通らしいプランも考えられるとか。

まずは「弱いひと」からアプローチ

 導入へ向けて意欲的なのは、やはり高齢者をターゲットにする自治体だという。高齢ドライバーの免許返還後の交通手段は、大きな社会問題にもなっている。

 プロジェクトでは、さまざまな社会のニーズに接するなかで、意外な可能性にも気づいたという。「たとえば、週に数回、利用者に来てもらうデイケア施設。その送迎の人手と手間がばかにならない。職員の方が、介護の仕事と送迎の運転の両方をこなしているんです」。送迎は、車椅子用の特別車両を使ってサブスで行うと割り切れば、その分の労力を介護サービスに注げる。送迎に関連して、夜遅くなる子どもの塾のお迎えも視野にいれているそうだ。

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最終更新:6/25(火) 19:45
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