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産学共創の視点から未来の世界を、日本を支える人材育成を考える―日本学術会議と経団連が学術フォーラムを共催

6/25(火) 19:55配信

サイエンスポータル

 国際的なインパクトを与えることができるイノベーションを生み出せる人材育成は今や日本の科学技術政策の最重要課題だ。このため、政府や産業界、大学といったさまざまな場で人材育成の在り方について議論されている。産学官連携が叫ばれて久しいが世界の動向が刻々と変化する中で日本の強みを再確認しながら若手の育成方針を具体的に定めることが急務だ。そうした中で日本学術会議と日本経済団体連合会(経団連)が共催し、文部科学省が後援した学術フォーラムが5月22日、日本学術会議講堂(東京都港区六本木)で開かれた。題して「産学共創の視点から考える人材育成」。

 いずれも独創的な活動や大学運営をしている登壇者から自らの体験や信念に基づいた発言が続き、「産」と「学」が未来の世界、日本を支える人材育成のあり方を見据えながら向き合った。

 日本学術会議は、山極会長を委員長とする「科学と社会委員会・政府・産業界連携分科会」を設置し、これまで11回分科会と1回シンポジウムを開いている。この日の学術フォーラムは主に講演とパネル討論で構成された。日本学術会議副会長で科学技術振興機構(JST)副理事の渡辺美代子さんの司会でフォーラムが始まった。

「横連携がこれまではうまく機能していなかった」

 経団連の五十嵐仁一さんがまず開会のあいさつをした。五十嵐さんはJXリサーチ代表取締役社長で、経団連の未来産業・技術委員会産学官連携推進部会長を務めている。あいさつでは「イノベーションが生まれにくい真の問題は、産業界、大学学術界、そしてベンチャーの横連携が(これまでは)うまく機能していないためだ」などと産業界の立場から率直な感想を述べた。

 日本学術会議は昨年11月に「産学共創の視点から見た大学のあり方」と題した提言をまとめ、公表している。この提言は(1)大学への新たな研究資金の提供、(2)大学の情報資源の活用、(3)大学が育てる人材の活躍、(4)大学の研究分野の総合性―の4点について改革の方向を提示している。五十嵐さんは「(提言作成の過程で)産業界と大学でこれほど考え方が違うのかと思ったが、こうした考え方の違いを乗り越えて提言をまとめた。そのプロセスをより多くの人と共有したいという思いがこのフォーラムを開催する理由の一つだ」などと述べた。

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最終更新:6/25(火) 19:59
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