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【壁を乗り越えて】「1人で抱え込まないで」小2で脳腫瘍になった高校生 広がる「思いやりの輪」

6/25(火) 14:00配信

中京テレビNEWS

当事者たちが語り合う がん哲学外来の現場

 映画にもなった航大さんの活動を、見せてもらえることになりました。親ががんになった子どもや、がんと闘病する若い世代を応援するのが、今の目標だといいます。

 この日行われたのは、グループに分かれて、それぞれの経験や思いを話し合う場。航大さんは必ず、この一言から始めます。

「暗い話じゃなくて、明るい話。笑顔で話したいと思っているので、よろしくお願いします」(中村航大さん)

 がんを「暗い話」ではなく、当事者同士の「明るい話」にしたい。前向きな航大さんの、モットーです。

 この日、明るい話のきっかけとなったのは、病院食の「あるある話」でした。

「麺類がたまに出るんですけど、伸びてて、味が薄くて」(中村航大さん)
「からあげくんを食べた。(病院の)下にありましたよね、ローソン」(参加者)

 そんな話を続けているなか、ある参加者がこう切り出しました。

「この会に参加したのは、子ども同士のつながりがある場所を探していて。私が万が一、何かあった時に(子どもを)支えてもらえる場があると、うれしい」(参加者)

 「明るい話」をきっかけに、参加者たちの「本音」が次々とこぼれます。

広がる「思いやりの輪」 自らの経験を発表した中学生

 この日で3回目の参加になるのが、中学3年生(取材当時)の兼松陵くん。「がん哲学外来」に参加することで、思ってもみない変化が生まれました。

 兼松くんは、航大さんと同じ小学2年生の時、急性リンパ性白血病と診断され、闘病生活に入りました。

 航大さんと出会ったことで、その時の経験を多くの人に伝えようと決めたのです。

「学校で弁論大会があって、自分の経験をみんなに知ってもらえたらと思って、発表できました」(兼松稜くん)

 兼松くんはこの日、発表を参加者のみんなに聞いてもらうことになりました。

「怖い、ひどい、自分がなぜ。何も考えられませんでした。まるで当たり前のような生活は、ちょっとしたことですぐに壊れてしまうものです。がんだからと言って、特別扱いせず、みなと同じように接してほしい。私はこの病気についてみなに知ってもらいたい。その上で堂々と生きていきたいのです」(兼松稜くん)

 航大さんが始めた思いやりの輪は、確実に広がっています。

「このカフェの活動を、日本全国といわず、世界へ広げていきたい」(中村航大さん)

連載「壁を乗り越えて」

この記事は、中京テレビ報道局とYahoo!ニュースによる連携企画記事です。中京テレビがこれまでに取材を積み重ねた、病気や障害の当事者たち。彼らが、自らを突然襲った「壁」を乗り越えた先に、どんな価値観を見出したのか。実際のエピソードを通して、人生の豊かさや幸せについて考えます。6月21日から5回にわたって配信します。

中京テレビNEWS

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最終更新:6/25(火) 14:00
中京テレビNEWS

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