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「私は性犯罪者ではなく軍人です」…“性的マイノリティ洗い出し事件”の被害者が訴え

6/25(火) 17:37配信

ハンギョレ新聞

軍人権センター、「性的マイノリティ軍人洗い出し事件」嘆願運動を提案 「被害軍人たちは生活苦・人事上の不利益とトラウマに苦しんでいる  国民を守るのに異性愛者か同性愛者かは重要でない」

 「『為国献身軍人本分』(国のために身を捧げるのは軍人の本分である)。私の携帯に書かれている安重根烈士の言葉です。その字句を見て捜査官が別の捜査官にこう言いました。『なんだ、こんな奴らでもそういう言葉を使うのか』。私の世界が崩れ落ちました。私はそうして性犯罪者、みだらな性倒錯症患者にさせられました」

 24日、ソウル市麻浦区(マポグ)の軍人権センターの記者会見場に現れた性的マイノリティの軍人A氏は、「陸軍性的マイノリティ洗い出し事件」の捜査を受けた当時の状況についてこう語った。続けて、A氏は訴えた。「私は性犯罪者ではなく、平凡な大韓民国の軍人であり、国を守る軍人です」。A氏は2017年、陸軍中央捜査団が軍隊内の性的マイノリティ軍人を洗い出し、軍刑法第92条6項違反により刑事処罰するよう指示した「陸軍性的マイノリティ洗い出し事件」の被害当事者だ。当時の事件で23人の軍人が立件され、そのうち9人の軍人が裁判にかけられ、4人が最高裁判所(大法院)の判決を待っている。A氏は最高裁で無罪判決が出ることを願う4人の軍人の一人だ。

 この日、軍人権センター(以下センター)は記者会見を開き、「陸軍性的マイノリティ洗い出し事件で検挙された軍人たちは、現在まで生活苦や人事上の不利益、トラウマに苦しんでいる」とし、「彼らが軍人として国民のために献身できるよう、最高裁は速やかに無罪判決を下してほしい」と話した。イム・テフン軍人権センター所長は「陸軍性的マイノリティ洗い出し事件で立件された23人は、全員合意のもとで私的な空間で性関係を持ったのに、相手が同性だという理由で捜査を受けた。現在まで進級落ち、補職差別、常時アウティング(性的マイノリティに対し本人の了解を得ず性的指向などを暴露すること)の脅威、生活苦、トラウマを訴えている」と述べた。そして「国民の生命と安全を守ることに異性愛者の軍人と同性愛者の軍人の区別はない」とし、「最高裁は彼らに無罪を言い渡してほしい」と話した。

 さらにセンターは、性的マイノリティの軍人を刑事処罰する根拠になる軍刑法第92条6項に対して、違憲決定を下すことも要求した。軍刑法第92条6項は、軍刑法わいせつ罪として軍隊内で行われた同性軍人間の性的行為を処罰する法律である。イム所長はこれについて「被害軍人のうち11人がこの条項に対して憲法訴願を出したが、憲法裁判所は動かない」とし、「この2年間、彼らの人生は根本から崩れたが、彼らが安心して無念を訴えられるところもない」と話した。さらに、「特にこの犯罪は、公訴状によれば被害者がいない。互いにわいせつ行為をしたと出ている。みんなを加害者にするおかしな法条項だ」と付け加えた。

 被害軍人たちも生活苦や人事上の不利益などに苦しむ現実を証言した。A氏は「にわかに同性愛者という理由で誇らしい軍生活がめちゃくちゃになった」とし、「被害を受けた人々を総合的に見ると、補職差別や進級落ちを経験した人もおり、強制休暇を受けた人もいた」と話した。「起訴されたという理由で給与が半分に減った。家には元気でやっていると話し、定期貯金を解約してローンを受けながら生活費を送ったが、貯金もなくなっていく」「延長服務脱落と長期服務脱落、そして昇級脱落。軍人として何かをきちんとできもしないうちに、一生忘れられない残酷な生活に変わった」と、軍人権センターは他の被害軍人の証言も公開した。

 これに対してセンターは、被害軍人と共に最高裁で審理中の4つの事件に対する無罪判決を求め「10万人嘆願運動」を開始する。センターは「被害者らが2年間の沈黙を破り勇気をもって立ち上がった。後がない状態の被害者たちの訴えに市民が応える番」だとし、10万人嘆願運動に賛同してほしいと訴えた。

文・写真 キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6/25(火) 17:37
ハンギョレ新聞

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