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Yahoo! JAPAN MARKETING SUMMIT 2019 セッションレポート

6/26(水) 7:06配信

Web担当者Forum

Yahoo! JAPANのマーケティングサミットが、5月17日(金)、ザ・プリンスパークタワー東京で行われた。テーマは「そのマーケティングを疑え」。

赤で統一された壇上では、「クリエイティブ」「メディア」「プランニング」という3つの視点からのセッションを展開。マーケティング分野で活躍されているさまざまな企業の登壇者が語った、ポイントをご紹介する。

 

セッション1 DOUBT! THE CREATIVE

DOUBT! THE CREATIVE、そのクリエイティブを疑えという視点からのセッションは、次のメンバーで行われた。

左から、モデレーターの井上大輔氏(ヤフー マーケティングソリューションズ統括本部 マーケティング本部長)、明石ガクト氏(ワンメディア 代表取締役)、鈴木瑛氏(ByteDance Head of X Design Center)、朴正義氏(バスキュール 代表取締役)、渡辺裕介氏(CHOCOLATE 代表取締役)

■ なぜ広告は嫌われたのか?

まずは、平成に入って嫌われものになってしまった広告の話から。「昭和では、新聞広告、テレビCMが皆の共通言語になっていて、楽しみにされていた時代だ」とヤフーの井上大輔氏(以下、井上氏)は話す。

たとえば1990年代前半に話題となった栄養ドリンクのテレビCM“ダッダーン!ボヨヨンボヨヨン”が放映された翌日には、さっそく学校で真似ていたという。ところが平成に入り、「一部の広告、特にデジタル広告は嫌われもの」になっていく。事実、スマホアプリ「アドブロッカー」が人気アプリランキングで常に上位にあることが顕著な例だ。

では、平成になって、広告はなぜ嫌われてしまったのだろうか? 各登壇者はその理由を次のように語る。

・ 多くの動画コンテンツをてがけているワンメディアの明石ガクト氏(以下、明石氏):平成になって、マーケティングが確立されていくとともにパターン化されて、広告らしい広告が増えてしまったからではないか。
・ 企業のコミュニケーション活動支援やオリジナルサービスを提供しているバスキュールの朴正義氏(以下、朴氏):(昭和では)情報が限られていた。すべてが貴重だったが、ネットのおかげで現在では情報量が圧倒的に増えたため、全体の割合として広告の価値が薄まっていっていると感じている。
・ 動画アプリTikTokを提供しているByteDanceの鈴木瑛氏(以下、鈴木氏):広告が嫌われているというよりも、役に立たない、興味のないものとしてパスされているだけではないか。昔は、情報も物も満ち足りていなかったため、ニーズやウォンツを探してメッセージを出し、それを満たす商品を紹介していた。だから広告は役立つものだったが、現在は満ち足りているから難しい。
・ 漫画、ゲーム、映画などさまざまなエンターテイメントコンテンツを提供しているCHOCOLATの渡辺裕介氏(以下、渡辺氏):現在の広告はユーザーに寄り添い、その立場になって考えるべきなのに、今でも一方通行のままだから嫌われているのではないか。マスが成立していた時代は、企業ブランドの世界観やメッセージを入れ込んだ映像を作り、それを一方通行で流しても、消費者とのコミュニケーションは成立していた。現在はユーザーに寄り添わないとダメ。



■ 消費者の文脈はハイレゾでいくべき!

続いて、双方向にもつながることとして、ローレゾ(ローレゾリューション)とハイレゾ(ハイレゾリューション)の話に。レゾリューションを単純に解像度という意味ではなく、クォリティという意味で考えた場合、「多様化する消費者の文脈(コンテクスト)を細かく分析し、粒度の細かい文脈をコンテンツに織り込めたものが成功している。

一方その意味で粗いと嫌われてしまう」という方向に話が進んだ。単純に解像度という意味では、モバイルの登場でテレビよりも解像度は低くなった。しかし、消費者の文脈はローレゾでは嫌われる。逆に、ハイレゾであれば好かれるコンテンツにつながるわけだ。


■ 令和に好かれるコンテンツとは? そこに「業」はあるのか?

「令和に好かれる広告、好かれるコンテンツの秘訣は何か?」とのトークが展開されるなかで、作り手の“熱量”や“業”がヒットを生むのではないかという話で盛り上がっていった。

・ 渡辺氏:好かれるコンテンツとして大事なのは“熱量”であり、作り手の“業”だ。たとえば映画『ボヘミアンラプソディ』は映画自体にものすごい熱量があり、その熱量が見た人を感化してヒットに通じたが、マーケティング発想だとあそこまでヒットするとは思わないだろう。
・ 明石氏:ネットフリックスの『ハウス・オブ・カード』は、データ分析の結果、デヴィッド・フィンチャーが監督、ケヴィン・スペイシーが主演で政治モノをやると当たるらしいということで作られた。でも、デヴィッド・フィンチャー監督がものすごく頑張らずにやる気がなかったなら、ヒットしなかっただろう。
・ 鈴木氏:執着や業から始まるというよりも、データ分析から始まることの方が正しいと思う。何か制約があって、その制約を解決しながらおもしろいものを作ることは、広告でクライアントさんたちの伝えたいメッセージを伝えながら、視聴者にとっておもしろいものを作ることに近いと思う。

この鈴木氏の話を受けて、渡辺氏は、「広告は基本的には合議制で作るけれど、その作り方でオリジナルコンテンツを作ると跳ねるものができづらい」と語る。CHOCOLATEでは、企画書という形ではなく、作り手が良いと思うものをまず形にすることで、「キャラクターのタッチやアニメーションでの動き方に作り手の“業”がうつって、すごくおもしろいことになるのだ」という。

鈴木氏は「業は出そうと思って出すものではなくて、その人が作ったから自然と出てくるもので、メディアやライターのもっている業と制約は矛盾するものではないんじゃないかと思う」と語った。

コンテンツ作りを作り手の業から始めるべきか、データ分析から始めるべきか、制約と業、あなたはどのように考えるだろうか? 

 

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最終更新:6/26(水) 7:06
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