ここから本文です

ヘッドランド近づかないで 茨城県内34基、5年で20人死亡 周辺、危険な離岸流発生

6/26(水) 8:00配信

茨城新聞クロスアイ

夏のレジャーシーズンを前に、茨城県警や茨城県、海上保安部などは、海岸沿いに突き出すように設けられた「ヘッドランド」と呼ばれる人工岬周辺での水難事故に注意するよう呼び掛けている。県警地域課によると、2014~18年の5年間で、ヘッドランド周辺での水難事故は35件発生し、20人が死亡している。同課は「事故防止のためにヘッドランドには近づかないで」と訴える。

昨年8月、鹿嶋市内の海岸でヘッドランドの上を歩いていた男性(20)が波にさらわれた。さらに鉾田市内でもヘッドランド周辺で貝採りをしていた男性(61)が溺れ、それぞれ死亡。同月だけで4件の死亡事故がヘッドランド周辺で相次いだ。

ヘッドランドは、砂浜の浸食防止を目的に県が1985年、鹿嶋市(旧大野村)の海岸に初めて設置した。いかりのような半円が海岸から約150メートル突き出す人工岬で、最大幅約100メートル。海岸と平行に流れる「沿岸流」によって、漂う砂の流出を食い止める仕組みになっている。

現在、県内には大洗町から神栖市の鹿島灘の海岸約70キロに計34基設置されている。

ヘッドランド周辺が危険な理由は「離岸流」だ。「沿岸流」がヘッドランドに衝突すると、内側をえぐるように海岸に打ち寄せた波になり、沖へ逃げる強い流れ「離岸流」が発生する。

流れの速さは秒速2~3メートルで幅10~30メートル。オリンピックの競泳選手でも流れに逆らって泳ぐことは困難といわれている。

同課によると、ヘッドランド周辺の水難事故は14年が3件、15年は1件のみの発生だったが、昨年は10件で6人が死亡した。ヘッドランド周辺の水難事故が相次ぐことから、県警や県は立ち入り禁止を呼び掛ける看板の設置や啓発ポスターの作成したほか、さらに関係機関と協力して危険箇所のパトロールや警備を強化している。

同課の担当者は「ヘッドランドは近づくだけで、波にさらわれる危険がある。遊泳はもちろん海水浴場で楽しみ、ヘッドランドには近づかないで」と注意を呼び掛けている。(海老沢裕太郎)

茨城新聞社

最終更新:6/26(水) 11:11
茨城新聞クロスアイ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事