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ホンダ“スペック3”PUは航空チームと共同開発。今後の“飛躍”に一役買うか?

6/26(水) 20:38配信

motorsport.com 日本版

 F1フランスGPでホンダが投入した“スペック3”パワーユニット(PU)には、内燃機関(ICE)とターボチャージャーにアップグレードが施された。ホンダのPU開発を担うHRD sakuraの面々は、自社の航空エンジン部門と2年間仕事を共にしている。それらの共同開発は、昨年後半に投入したMGU-Hの信頼性向上に大きな成果をあげた。

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 PU開発の指揮を執る浅木泰昭は、ホンダ首脳陣の集まるミーティングの中で、タービンの共同開発が有益であると提案していた。

 ホンダのF1テクニカルディレクターである田辺豊治はmotorsport.comに対し、次のように話した。

「航空エンジン自体は(PUと)全く異なっています」

「しかしターボチャージャーとMGU-Hは航空機のタービンと似ています」

「高速回転を利用しているし、空力デザインも必要とします。そこには共通の技術があると思っています」

 ホンダの航空ターボファンエンジンであるHF120から受けた影響の中に、ターボチャージャーとMGU-H内部のブレードのデザインの変更も含まれていると考えられている。

 ホンダのF1マネージングディレクターを務める山本雅史はこう語った。

「F1の世界だけで働いているので、当然この世界に焦点を置いています」

「ただ、我々は異なる分野の人々からアドバイスをもらい、様々な視点を持つことができています。今回はタービンの空力に関するものでした。新たな視点は我々に改善の本質を教えてくれます」

F1との関連性

 HF120は、数々の賞を受賞したホンダジェットHA-420(6人乗り小型ジェット)に搭載されており、高高度の過酷な条件下でも正常に動作する。

 F1で現在使用されているV6ターボ-ハイブリッドエンジンでは、ターボチャージャーとMGU-Hは最高で毎分12万5000回転する。以前のホンダは、それらの信頼性とパフォーマンスが足りていなかった。

 ターボチャージャーとMGU-Hに不備があれば、信頼性のリスクが生じるだけでなく、全体的なパフォーマンス、そしてエネルギー回生にも影響が及ぶ。ターボに基本的に求められているのは、燃焼室に入る空気を圧縮することによって、燃焼プロセスをより効率的にすることだ。これによってより多くの燃料が完全燃焼されることとなる。

 これは伝統的なV型6気筒ターボエンジンのパフォーマンスにおける重要な相互作用だが、ターボはMGU-Hとも重要な相互関係にある。

 MGU-Hは燃焼ガスの勢いを電気エネルギーに変換し、それを直接MGU-Kに送りパワーを生むか、エネルギーをバッテリーに一時貯蔵することもできる。また、MGU-Hにはレースにおける1周のエネルギー回生量に制限はないのが特徴だ。MGU-Kによるエネルギー回生量や、バッテリーからMGU-Kに供給できるエネルギー量は決まっているため、MGU-Hが効率的にエネルギーを生むことが重要となる。これらの回生システムはPU総出力の20%を占めており、パフォーマンスの根幹をなすものだ。

 さらにMGU-Hは、同軸上にあるターボのスピードを制御することによって、別の機能を発揮する。スロットルに応じてすぐにターボを回転させることができ、空気の圧縮を早め、ターボラグの解消に一役買うことになるのだ。これらはドライバビリティの重要な要素であるとも言える。

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最終更新:6/26(水) 20:39
motorsport.com 日本版

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