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完全冗長EPS、次世代カメラやミリ波が2019年から量産、ボッシュの自動運転戦略

6/26(水) 6:25配信

MONOist

 ボッシュは2019年6月25日、東京都内で年次記者会見を開き、2018年の業績と2019年以降に向けた取り組みについて発表した。

 2018年のグループ全体の売上高は前年比0.5%増の785億ユーロ(約9兆6000億円)だった。EBIT(支払金利前税引前利益)は55億ユーロ(約6700億円)で、EBIT利益率は前年から0.2ポイント改善し7%となった。研究開発費は売上高の9.3%となる73億ユーロ(約8900億円)を投じた。ソフトウェアやITの領域を強化するため、今後5年以内に同分野の技術者2万5000人を採用する計画だ。

 2018年の日本国内におけるボッシュの売上高は前年比10%増の3250億円で、2019年の売上高は前年比で5%程度増加する見通しだ。成長をけん引したのは自動車部品を手掛けるモビリティソリューションズ事業だ。パワートレイン関連、ADAS(先進運転支援システム)を含むセーフティーシステム、ボディーエレクトロニクスの取引が拡大。日本向けの同事業は前年比11.6%増のプラス成長だった。また、ボッシュ全体での全世界における日系自動車メーカー向けの売り上げは前年比8.8%増に拡大した。

ボッシュ初のフェイルオペレーション対応EPSが量産

 2019年はさまざまな製品の量産が予定されている。自動運転システム向けの周辺監視用センサーでは、次世代の車載カメラとミリ波レーダーの量産が始まる。ミリ波レーダーは検知距離や視野角、高さ方向の性能を向上しながら、従来比30%の小型化を達成した。厚みは従来品の33mmから19mmに低減した。次世代ミリ波レーダーは、視野角の拡大によって交差点進入時に車両や歩行者を早期に検知することが可能になる。また、高さ方向の検知性能を改善したことにより、看板や路上の空き缶など物体が多い複雑な環境下でレーダーの誤検知を抑制する。

 次世代の車載カメラは、ディープラーニング(深層学習)によるセマンティックセグメンテーションを採用している点が特徴だ。ディープラーニングを含めさまざまなアルゴリズムを組み合わせて、フリースペース(車両が走行可能な範囲)を検知する。歩行者や車両などの物体認識性能も向上させている。ボッシュのADAS関連の売上高は2017年から2019年にかけて倍増しており、2019年中に20億ユーロ(約2400億円)を突破する見通しだ。

 ボッシュ初となるフェイルオペレーション対応の電動パワーステアリング(EPS)「Servolectric」も2019年に量産がスタートし、日系自動車メーカー向けに納入する。2020年には、自動車向け機能安全規格ISO 26262で最も厳しい安全要求レベルであるASIL Dを満たすEPSも量産する予定だ。Servolectricは自動運転のレベル2~5に対応するという。

 Servolectricは「完全冗長」(ボッシュの担当者)で、2020年に量産するASIL D対応の製品は電源からマイコン、モーターのコイルまで二重化している。「常時、2つのモーターが動作しているイメージだ。どちらかに機械的もしくは通信で異常が発生した際にEPSのアシストを継続するための二重化だが、モーターが切り替わるタイムラグはない」(ボッシュの担当者)。二重化対応モーターを内製するかどうかは非公表とした。

 Servolectricは、モーターの出力軸からECU(電子制御ユニット)までをモジュール化した。モーターの軸の長さで出力を調整し、6k~18kNまでのアシスト力をカバーする。18kNは大型バン向けの高出力となる。年次会見の会場ではラックアシストタイプを展示したが、コラムタイプのフェイルオペレーション対応も進めている。また、フェイルオペレーション対応のステアバイワイヤシステムも開発中で、シャフトがないステアバイワイヤシステムの冗長設計も進めている。

 ボッシュのステアリングシステムにかかわる日本の人員は2015年以降3倍に増えた。冗長設計やモーター技術、ソフトウェアに人手を割いている。

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最終更新:6/26(水) 6:25
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