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リアル「なつぞら」の世界を映画祭参加学生にレクチャー

6/26(水) 22:32配信

シネマトゥデイ

 フランスで開催された第43回アヌシー国際アニメーション映画祭の名誉ゲストとして招待されたアニメーターの小田部羊一が、マスタークラスに登壇した。日本アニメーションの草創期を支えた小田部は現在放送中の朝のNHK連続テレビ小説「なつぞら」のアニメーション時代考証を務めており、世界中から集まった学生など約280人がリアル「なつぞら」の世界を聞き入っていた。

 小田部は東京藝術大学美術学部日本画科出身で、東映動画(現・東映アニメーション)が製作した長編漫画映画第1作『白蛇伝』(1958)の影響を受けて、1959年に東映動画に入社した。「学生時代は絵描きになろうという気持ちで頑張っていたのですが、実際に就職するとなると仕事がなかったんですね。そんな時に『白蛇伝』を観て、ディズニーだけではなく日本でもアニメが作れるのだと思い、たまたま東映動画で募集があったので、すかさず応募しました」という。

 入社後は大工原章、森康二、楠部大吉郎らレジェンドたちに師事し、3年ほど研修期間を過ごしたという。「アニメーションに魅力を感じたのは、日本画と同じ、1本の線で全てを表現するということ。単純に線を引くのではなく、そこに思いを込める。日本画と同じではないかと気付いた時に、本当にうれしく思いました」と振り返る。

 同期入社したのが、のちの盟友となる高畑勲監督だ。東京大学文学部仏文科卒というインテリな高畑監督の存在は、大いに刺激になったという。高畑監督の初長編映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)の時には、小田部は原画スタッフの1人として参加した。

 「彼は(監督を任せてもらえるのは)『これが最後かもしれない』という勢いで、良い作品を作ろうと頑張っていました。彼は、ただ面白おかしければ良いというそれまでのアニメーションではなく、もっときちんと、なぜこのキャラクターが存在し、動くのか。その意味を考え、リアリティーを大切にしようと挑みました。わたしたち描き手もその考えに同感し、一生懸命描きました」

 例えば、主人公・ホルスの船出するシーン。スマートフォンのある今と異なり海の資料映像は簡単には手に入らない。

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最終更新:6/26(水) 22:32
シネマトゥデイ

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