ここから本文です

日本バスケの運命を変えた奇跡の「八村ポスター」

6/26(水) 16:35配信

東スポWeb

 日本バスケットボール協会は25日、W杯中国大会(8月31日開幕)の直前に行う国際試合の概要を発表した。日本国内での強化試合4戦には米プロバスケNBAのドラフトでワシントン・ウィザーズから日本人初となる1巡目指名(全体9位)を受けた八村塁(21=ゴンザガ大)も参戦する可能性が高く、さらなる大フィーバーとなりそうな気配。そんな中で「日本バスケ界の運命を変えた」と言われる伝説のポスターが存在するという。その“主役”ももちろん八村だ。

「伝説」とあがめられる一枚のポスターは現在、日本協会の会長室に飾られている。今をときめく世界の“ドラ1男”が真ん中に写り、頭上には「希望」の大きな文字が躍る。昨年6月、日本がW杯予選で4連敗を喫し、本戦出場へ崖っ縁となった際に作製されたポスターだ。この運命のオーストラリア戦で、日本はイチかバチかの起死回生を狙って八村を代表に初招集した。

 ポスターをパネル状に作り直し、大事に部屋に飾る日本協会の三屋裕子会長(60)は作製時をこう振り返る。「ちょうど4連敗をしていたので、私は日本の至宝が帰ってくるっていう意味を込め、八村選手をバーンとメインに作りました。でも、20歳そこそこの人間にこんなにプレッシャーを与えていいのかな? 正直、私も不安でした」

 一種の賭けでもあった。八村が背負う重圧もさることながら、まるで一人の若者にすべてを託すような広告でいいのか。当時を知る関係者は「他の選手との兼ね合いもあり、いろいろ話し合われました」。一歩間違えば八村の“特別待遇”に対する不満を生み、チームの輪が崩れる可能性もあった。それでも製作に踏み切った三屋会長が「大丈夫?」と尋ねると、八村は「大丈夫です!」と笑顔で答えたという。「単なるビッグマウスではなく、彼の中にしっかりある経験と自信の言葉だということが、試合を見ていてよく分かりました」(三屋会長)

 迎えたオーストラリア戦は八村の活躍で大金星を挙げ、そこから日本は怒とうの8連勝で、W杯出場の切符を手にした。三屋会長は「何のプレッシャーも感じずに、見事に大活躍してくれました」と話す。

 当時、日本は国際バスケットボール連盟(FIBA)から国際試合禁止処分を科されており、2020年東京五輪開催国枠には「W杯16強相当」の実力が求められていた。このW杯出場決定の報を受けてFIBAは開催国枠の付与を決定。八村を前面に出したポスターが“起点”となって日本はW杯出場、東京五輪出場を決めた。ポスターを意気に感じた八村が、まさに日本のバスケ界に奇跡を起こし、運命を変えたのだ。

「私も救われたし、日本のバスケット界全体が彼に救われた」(三屋会長)。この夏、八村フィーバーが吹き荒れそうだが、その原点となったポスターに日本協会は足を向けることはできないだろう。

最終更新:6/26(水) 16:35
東スポWeb

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事