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80年前のメルセデス・ベンツのレーシングカーが蘇るまで

6/26(水) 7:21配信

octane.jp

メルセデス・ベンツが80年前に造った先駆的な流線型のレーシングカーが、綿密な調査の末によみがえった。

80年前のメルセデス・ベンツのレーシングカーが蘇るまで(写真7点)

540Kストリームライナーは、1938年のベルリン-ローマ間公道レースのために造られた。しかし結局レースは開催されず、テスト車両としてダンロップに売却。終戦後に戻ってきたものの、ボディのアルミパネルは再利用され、シャシーだけが設計図や写真などと共にメルセデス・ベンツ博物館に保管されていた。

2011年、1枚の写真が発見されたことをきっかけに、社内で復元プロジェクトが始動。3年を費やして同じ素材や製造方法を調査し、当時を知る人々から情報を収集して、「未来の先駆けとして1938年に人々が目にしたはずの車」を正確に再現した。

エンジンは、スーパーチャージャーで180bhpを発生する5401ccの直列8気筒。オリジナルではないが、同時代のものを昔ながらの方法でリビルドし、あえて見た目のレストアは行わなかった。シャシーも同様だ。したがって真新しいボディとは対照的に、エンジンベイや構造フレームは長い歳月を感じさせる。

ボディはアルミパネルを手作業で成形してトネリコ材のフレームを覆った。詳細な資料は残っていても、ネジの位置など、細部を明らかにするのは容易ではなかった。車内のディテールについても同様だ。そこで、親子三代にわたってダンロップに務めた人物を見つけ出し、子どもの頃に見た記憶を聞き出して参考にした。

優れた空力性能をはじめ、ベルリン-ローマ間レースで成功を収める要素は揃っていたが、おそらく足かせとなったのが当時のタイヤの性能だ。そのためダンロップが買い取ってテストに使用したのである。今回初めて空気抵抗係数を測定したところ、結果はCd値0.36で、現代の多くのセダンと同等だった。ここにも、540Kストリームライナーのもたらした進化が現在にまで影響を及ぼしていることを感じずにはいられない。

Octane Japan 編集部

最終更新:6/26(水) 7:21
octane.jp

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